米司法省 大統領選に影響を及ぼすキャンペーン「ハッキング・アンド・リーク」に関与したイラン人3名を起訴
米司法省は、2024年の米大統領選挙に影響を及ぼすことを目的とした「ハッキング・アンド・リーク」キャンペーンに関与したとして、イラン人ハッカー3人を起訴しました。
起訴の概要
米司法省によればイラン国籍のマスード・ジャリリ、セイェド・アリ・アガミリ、ヤセル・バラギの3人はイラン革命防衛隊(IRGC)に所属し、現職および元職の米国政府高官、複数の米国政治運動に関係する個人、メディア関係者のアカウントをハッキングしたとしています。
彼らの攻撃は、アメリカ政府高官の機密情報を盗み、米国の選挙に影響を与えようとするイランによる広範な取り組みの一環で、長年にわたり元米国政府関係者を標的にしてきたが、2024年5月に標的をトランプ大統領選挙運動に関係する個人に移したとされています。
彼らは選挙関係者の個人アカウントに不正アクセスし、選挙関連の文書や電子メールを盗むことに成功し、2024年6月下旬ごろ、ハッカーらは「ハッキング・アンド・リーク」作戦を開始。
盗んだ資料を米国のメディアやバイデン陣営関係者に漏らし、2024年の大統領選でのトランプ氏の出馬に打撃を与えようとしました。
なお、米国国務省もジャリリ、アガミリ、バラギに関する情報に1000万ドルの報奨金を出しています。
同時に、財務省外国資産管理局(OFAC)はジャリリをIRGCへの関与の疑いで指名し、米国選挙への外国の干渉を抑制する継続的な取り組みの一環として制裁を課しています。
ハッキングの手法
「ハッキング・アンド・リーク」作戦は2020年1月に始まり、標的型攻撃とソーシャルエンジニアリング戦術が使わました。
2022年までに彼らは活動を拡大し、将来の被害者の特定に役立つ可能性のある個人情報を盗むために元米国政府職員を標的にしました。
「ハッキング・アンド・リーク」作戦と関連するキャンペーン?
「ハッキング・アンド・リーク」作戦と関連する可能性のあるサイバー攻撃も検知されています。
2024年8月25日 WhatsAppを運営するMeta社は、イランがアメリカの政治家や外交官、バイデン大統領やトランプ前大統領を標的とした執拗なフィッシング攻撃を行っていた事を明らかにしました。
なお、本攻撃によりアカウント侵害はまだ確認されていないとの事です。