京都府立医科大学、学生が附属病院実習の報告書をSNS投稿 患者を直接特定できる情報は含まれず

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京都府立医科大学、学生が附属病院実習の報告書をSNS投稿 患者を直接特定できる情報は含まれず

京都府立医科大学は2026年8月14日、附属病院で実施した実習について、本学学生が実習報告書を写した写真をSNSへ投稿していたことが判明したと公表しました。

大学によると、投稿された写真には患者を直接特定できる情報は映っていませんでした。一方、医療実習で扱う記録をSNSへ投稿する行為自体を「医療に従事する者として、極めて不適切」としており、附属病院から対象患者と家族へ状況を説明し、謝罪しています。

京都府立医科大学と附属病院は、実習情報の取り扱いルールを見直すとともに、学生への情報管理教育を徹底するとしています。

京都府立医科大学の実習情報SNS投稿事案のサマリー

  • 京都府立医科大学は2026年8月14日、附属病院で実習を行った学生による不適切なSNS投稿を公表しました。
  • 学生は2026年度前期に附属病院で行った実習の報告書を写真に撮り、SNSへ投稿していました。
  • 投稿された写真には、患者を直接特定できる情報は映っていなかったとしています。
  • 大学は、実習で扱う記録をSNSへ投稿する行為自体を「医療に従事する者として、極めて不適切」としています。
  • 附属病院は対象患者と家族へ状況を説明し、謝罪しました。
  • 投稿されたSNSの名称、公開範囲、投稿日時、削除日時、閲覧者数は公表されていません。
  • 実習報告書に含まれていた具体的な情報の内容も公表されていません。
  • 対象となった患者数は公表資料では明示されていません。
  • 個人情報保護委員会への報告については確認できませんでした。
  • 大学と附属病院は、実習情報の取り扱いルールを見直します。
  • 学生に対する実習情報の取り扱いに関する教育も徹底するとしています。
項目 内容
公表日 2026年8月14日
対象組織 京都府立医科大学・京都府立医科大学附属病院
当事者 京都府立医科大学の学生
事案 附属病院での実習報告書を撮影しSNSへ投稿
実習時期 2026年度前期
投稿日時 確認できませんでした
SNSの名称 確認できませんでした
公開範囲・閲覧者数 確認できませんでした
投稿された情報 実習報告書を写した写真
患者を直接特定できる情報 映っていなかったと大学が説明
対象患者数 確認できませんでした
患者・家族への対応 附属病院から状況を説明し謝罪
個人情報保護委員会への報告状況 確認できませんでした
再発防止策 実習情報の取り扱いルール見直し、学生への教育徹底

附属病院での実習報告書を撮影しSNSへ投稿

京都府立医科大学によると、学生は2026年度前期に附属病院で行った実習の報告書を写真に撮影し、SNSへ投稿していました。

大学の公表資料では、投稿した学生の所属学科や学年、投稿したSNSの名称、アカウントの公開範囲、投稿日時、削除日時などは明らかにされていません。

また、どのような経緯で投稿が発覚したのかについても公表されていません。

大学は今回の行為について、医療に従事する者として「極めて不適切」としています。

医療実習では、患者に関する診療情報や実習中に得た情報を扱う機会があります。患者を直接識別できる情報が含まれていなくても、実習で作成した記録そのものを私的なSNSへ掲載することは、医療機関が求める情報管理や守秘の観点から問題となります。

患者を直接特定できる情報は映っていなかった

京都府立医科大学は、SNSへ投稿された写真について「直接、患者様個人を特定できる情報が映ってはいなかった」と説明しています。

そのため、今回の公表内容だけから、氏名、患者番号、生年月日、住所などの個人識別情報がSNS上へ流出したと判断することはできません。

大学も今回の事案を「個人情報漏洩」とは表現しておらず、「学生による不適切な行い」として公表しています。

一方、実習報告書にどのような診療情報や患者に関する記述が含まれていたのかは明らかにされていません。

また、氏名などの直接識別子がなくても、年齢、疾患、治療内容、入院時期など複数の情報を組み合わせることで、周囲の人物が患者を推測できるケースがあります。

今回の写真について、こうした間接的な識別可能性があったかどうかは公表資料から確認できませんでした。

そのため、「患者を直接特定できる情報がなかった」ことと、「医療情報としてSNS掲載に問題がなかった」ことは分けて考える必要があります。

対象患者と家族へ説明し謝罪

京都府立医科大学附属病院は、今回の投稿について対象患者と家族に状況を説明し、謝罪しました。

公表文では「当該患者様」と記載されていますが、対象となった患者数を具体的な数字では示していません。

そのため、本記事では患者数を推測せず「確認できませんでした」としています。

また、SNS投稿によって第三者が実際に写真を閲覧したのか、閲覧者が何人いたのか、画像が保存・転載されたのかについても公表されていません。

二次拡散の有無についても確認できませんでした。

医療機関ではSNS投稿による患者情報の流出が繰り返し発生

医療現場で撮影した写真や動画をSNSへ投稿し、意図せず患者情報を外部へ公開してしまう事案は繰り返し発生しています。

2026年3月には、佐田病院で看護師が入院患者のカルテ画像をSNSへ投稿した事案が公表されました。

この事案では患者1名のカルテ画像が投稿され、個人情報漏洩として扱われています。

2025年11月には、岩見沢市立総合病院の委託職員が受付モニターを私物スマートフォンで撮影しSNSへ投稿した事案も発生しました。

画像には患者20名分の氏名、患者番号、性別、年齢、主治医名などが写り込んでいました。

さらに2026年には、武蔵野徳洲会病院で職員がSNSへ投稿した動画に患者48名の氏名が映り込んだ事案も公表されています。

今回の京都府立医科大学の事案では患者を直接特定できる情報は確認されておらず、これらの個人情報漏洩事案とは影響の程度が異なります。

一方、「業務・実習で扱う画面や書類を私物端末で撮影し、SNSへ投稿する」という行為が情報管理上の事故につながる構造は共通しています。

学生や実習生も医療機関の情報管理対象

医療機関の情報セキュリティ教育では、医師、看護師、事務職員などの職員を中心に考えがちですが、学生や実習生も患者情報へ接する可能性があります。

特に医学部や看護学部などの臨床実習では、教育目的で電子カルテ、診療記録、検査結果、実習レポートなどを扱うことがあります。

学生は常勤職員と比較して医療機関での実務経験が少なく、SNSとの距離も近い場合があります。

「患者氏名を隠せばSNSへ掲載してよい」「顔が写っていなければ問題ない」といった誤った判断を防ぐには、個人情報の定義だけでなく、業務・実習情報そのものを私的SNSへ掲載しないという明確なルールが必要です。

また、実習開始時の一度だけ教育するのではなく、具体的なSNS事例や写真撮影の可否を示し、学生が判断に迷わない運用にすることが重要です。

実習報告書の取り扱いルールを見直し

京都府立医科大学と附属病院は今回の事案を受け、実習情報の取り扱いルールを見直すとしています。

あわせて、学生に対して実習情報の取り扱いに関する教育を徹底し、再発防止を図る方針です。

公表資料では、私物スマートフォンの持ち込み制限、実習資料の撮影禁止、SNS利用規程の変更など、具体的な対策内容までは示されていません。

今後、どのようなルール変更が実施されるかは確認できませんでした。

個人情報保護委員会への報告状況は確認できず

京都府立医科大学の公表資料では、個人情報保護委員会への報告について記載されていません。

今回の写真には患者を直接特定できる情報が映っていなかったとされているため、大学が個人情報漏洩としてどのように法的評価したのかについても確認できませんでした。

個人情報保護委員会への報告を行ったか、あるいは報告対象外と判断したかについては、公表資料からは確認できません。

情報システム部門への示唆

今回の事案はサイバー攻撃やシステム障害ではなく、人による情報の持ち出しとSNS投稿に関するインシデントです。

そのため、EDRやWAFなどの技術的な防御だけでは防げません。

医療機関や大学では、職員だけでなく学生、研修医、実習生、委託スタッフなど、患者情報に接するすべての関係者を情報セキュリティ教育の対象として管理する必要があります。

特に明確にしておきたいのは、次のようなルールです。

  • 実習・業務中のカルテ、報告書、モニター、患者関連資料を私物スマートフォンで撮影しない
  • 氏名を隠した場合でも、実習・診療情報をSNSへ投稿しない
  • SNSの「非公開」「親しい友達のみ」など限定公開機能を情報管理策として扱わない
  • 教育目的で写真やデータを利用する場合は、組織が承認した端末・保存先・手続きを利用する
  • 実習開始時に守秘義務とSNS利用ルールを明文化して確認する
  • 違反時の報告経路と初動対応を事前に定める

また、情報システム部門だけで対応するのではなく、教育担当、医療安全、個人情報保護担当、診療部門と連携した運用が必要です。

SNSへの投稿は、一度公開すると第三者によるスクリーンショットや転載によって完全な回収が難しくなります。

患者を直接特定できる情報が含まれているかだけを基準にするのではなく、「診療・実習で得た情報は原則として私的なSNSへ持ち出さない」というシンプルなルールを組織全体で徹底することが重要です。

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