千葉県松戸市の医療法人徳洲会・千葉西総合病院は2026年10月8日、職員が院内で患者の映り込んだ動画を無断撮影し、SNS上で共有していたことを公表しました。翌9日の第2報では、10月5日の夜勤中に女性看護師2人が撮影し、別の看護師1人を含む3人のグループ内で閲覧できる状態にしていたことを明らかにしました。
病院は患者の個人情報が漏えいしたと認め、関係した看護師3人を出勤停止にしています。患者家族への謝罪のほか、個人情報保護委員会への報告、X(旧Twitter)上に拡散した投稿の削除依頼、全職員への注意喚起などを実施しました。
千葉西総合病院のSNS動画投稿事案のサマリー
- 発生場所は千葉西総合病院(千葉県松戸市)。
- 2026年10月5日の夜勤中、女性看護師2人が患者の映り込む動画を撮影しました。
- 動画は看護師3人のグループ内で共有され、撮影には関与しない1人も閲覧していました。
- 10月8日15時18~30分ごろ、グループ病院の職員からX上での動画投稿について連絡があり、病院が事案を把握しました。
- 病院は患者の個人情報が漏えいしたことを認め、撮影・共有に関わった看護師3人を同日から出勤停止としました。
- 10月8日、患者家族への電話での説明・謝罪、個人情報保護委員会への報告、Xへの削除依頼を実施しました。
- 10月9日には患者家族へ直接謝罪し、松戸保健所と松戸市役所にも事案を報告しました。
- 臨時の院内個人情報管理委員会を開催し、翌週中に全職員向けの研修を実施する方針を決定しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 組織名 | 医療法人徳洲会 千葉西総合病院 |
| 発生日時 | 2026年10月5日・夜勤中 |
| 発覚日時 | 2026年10月8日15時18~30分ごろ |
| 第一報・第二報 | 10月8日・10月9日 |
| 行為の概要 | 看護師による院内動画の無断撮影と、SNS上のグループでの共有 |
| 個人情報への影響 | 患者の個人情報が漏えいしたと病院が公表 |
| 関係した職員 | 女性看護師3人(撮影2人、閲覧のみ1人) |
| 主な対応 | 出勤停止、家族への謝罪、Xへの削除依頼、当局への報告、全職員への注意喚起 |
| 個人情報保護委員会への報告 | 2026年10月8日に報告済み |
夜勤中に撮影した動画を3人のグループで共有、X上への拡散で発覚
病院の第2報によると、動画が撮影されたのは10月5日の夜勤中でした。女性看護師2人が院内で撮影し、別の看護師1人を含む計3人のグループコンテンツで共有しました。
病院は、3人が「グループ内での共有」という認識で、不特定多数への拡散を意図した自覚はなかったと説明しています。しかし10月8日午後、グループ病院の職員からX上に動画が投稿されているとの連絡があり、問題が発覚しました。
第1報では、病院職員が患者の映り込んだショート動画を個人のSNSアカウントに無断で投稿していたと説明しています。第2報で明らかになったのは、撮影者2人、閲覧者1人、グループ内共有という具体的な経緯です。グループ内の共有からX上での拡散に至った経路や、誰がX上へ投稿したかは、今回の公表内容からは特定できません。
病院は個人情報漏えいを認め、3人を出勤停止に
10月9日の第2報では、病院はSNS上に個人情報を含む不適切な内容が投稿されたと認めています。患者のプライバシーと尊厳に関わる問題として、管理体制および職員教育に不備があったと説明しました。
病院は10月8日に看護師3人を出勤停止とし、個人情報が漏えいした患者の家族に電話で事実を説明して謝罪しました。同日には個人情報保護委員会へ報告し、X上の投稿について削除依頼を行っています。10月9日には患者家族へ直接謝罪し、松戸保健所(千葉県)および松戸市役所へ報告しました。
漏えいした患者の人数や、動画に含まれた個別の情報項目については具体的な数値・内訳が示されていません。また、投稿を第三者が保存・再投稿した範囲についても確定的な数字は公表されていません。
全職員への注意喚起と個人情報保護研修を実施へ
病院は発覚当日に全職員へ個人情報やSNSの取り扱いについて厳重な注意喚起を通知し、翌9日には朝礼でも周知しました。さらに院内の個人情報管理委員会を臨時開催し、翌週中に全職員を対象とする研修を実施することを決めています。
本件では、電子カルテなどのシステムから不正に情報が持ち出されたとの発表ではなく、職員による動画撮影と私的なSNS共有が漏えいの経路になりました。限定されたグループへの共有であっても、共有先から外部に広がる可能性があることが表面化しています。
医療機関で繰り返される院内撮影とSNS投稿による情報漏えい
医療現場での私物端末による撮影やSNS共有をめぐっては、セキュリティ対策Labでも類似の事案を取り上げています。
同じ徳洲会グループの武蔵野徳洲会病院では、職員がSNSに投稿した動画に患者48名の氏名が含まれた事案が2026年4月に公表されました。また、佐田病院では看護師が入院患者のカルテ画像をSNSの限定公開機能で投稿し、個人情報が漏えいした事案が発生しています。これらは別々の事案であり、今回の千葉西総合病院の投稿との関連が確認されたものではありません。
情報管理上の確認事項は、患者情報を記録したシステムへのアクセス権だけではありません。院内での撮影を許可する範囲、私物端末の扱い、業務中の画像・動画の保存先、SNSの限定公開やグループ共有の禁止事項、問題が起きた際の報告経路についても明確にしておく必要があります。
また、削除依頼を行った時点と、投稿の削除・転載先の確認が完了した時点は分けて管理する必要があります。医療安全、看護部、個人情報保護担当、情報システム部門が共同で、対象患者への連絡と二次拡散の確認を進める運用が考えられます。




