Windows 11の初期設定(OOBE:Out-of-Box Experience)で、Microsoftアカウントへのサインインを省略してローカルアカウントを作成できた操作が、2026年10月に利用できなくなったことが確認されました。
対象となったのは、Microsoftアカウントのサインイン画面に表示される小さな「Learn more」リンクを選択すると、通常のサインイン操作を経ずにローカルユーザーの作成画面へ進める挙動です。発見者が10月9日に利用できなくなったと報告し、英国の技術メディアThe Registerも10月12日、実機で同様の変化を検証しています。
Windows 11初期設定の変更点
- Windows 11 Homeなどの初期設定で、Microsoftアカウントのサインイン画面からローカルアカウント作成画面へ直接進める経路がありました。
- この経路は「Learn more」リンクを押すだけで利用でき、コマンドの入力やネットワークの切断を必要としませんでした。
- 発見者のBob Pony氏は2026年10月9日、同経路が利用できなくなったと報告しました。
- The Registerは10月12日、以前は機能していた経路を実機で試し、現在は利用できないと確認しました。
- Bob Pony氏はサーバー側の変更による修正と説明しています。個別の修正日や変更方法について、Microsoftからの詳細な公式告知は示されていません。
- Microsoftは2025年10月、Windows 11の初期設定でローカルアカウントを作成する既知の迂回経路を取り除く方針を公表しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | Windows 11の初期設定(OOBE)でのアカウント作成 |
| 変更された挙動 | 「Learn more」リンクからローカルアカウント作成画面へ直接進めなくなった |
| 発見者による修正後の報告 | 2026年10月9日 |
| 第三者による検証報道 | 2026年10月12日 |
| 主な関係先 | 個人利用としてセットアップするWindows 11 Home/Pro |
「Learn more」を選ぶとローカルアカウント作成画面へ移動していた
この挙動を最初に紹介したのは、Windows関連情報を発信するBob Pony氏です。2026年9月、Windows 11の初期設定でMicrosoftアカウントのサインインを求められた際、説明文中の「Learn more」リンクをクリックすると、ローカルユーザー名やパスワードを設定する画面へ直接移動できることを報告しました。
Windows Latestは9月13日、Windows 11 Homeのインストール環境で操作を再現したと報じています。コマンドプロンプトの操作やレジストリ編集を伴わず、通常の初期設定画面上で操作が完結する点が特徴でした。
その後、Bob Pony氏は10月9日、同じリンクによる回避ができなくなったと投稿しました。The Registerによる10月12日の実機検証でも、以前と同じ方法ではローカルアカウント作成画面に進めなくなっています。
変更の適用状況はWindowsのビルドやセットアップ環境によって異なる場合がありますが、少なくとも従来の「Learn more」を前提にしたセットアップ手順は、再検証が必要な状態です。
Microsoftは2025年から初期設定の迂回手段を段階的に削除
Microsoftは2025年10月6日に公開したWindows 11 Insider Preview Build 26120.6772の案内で、初期設定中にローカルアカウントを作成できる既知の仕組みを削除する方針を明示しました。
同社は、Microsoftアカウントのセットアップを回避する手段によって、本来実施する設定画面も飛ばされ、端末の構成が完了しないまま初期設定を終了する可能性があると説明しています。この方針の下、インターネットへの接続とMicrosoftアカウントを用いた初期設定を求める方向で変更が進められています。
一方、今回の「Learn more」経路について、Microsoftが個別に公表した更新プログラム番号や、修正適用日を示す資料はありません。Bob Pony氏が指摘したサーバー側の変更という説明も、Microsoftによる技術的な確認とは区別する必要があります。
「Learn more」経路が利用できなくなった場合の影響
最も直接的な影響は、Windows 11の初期設定でMicrosoftアカウントのサインイン画面が表示された際、リンクを選ぶだけでローカルアカウントを作成する手順が使えなくなることです。この操作を前提に新しいPCの設定やOSの再インストールを進めていた利用者は、従来の画面遷移ではセットアップを完了できません。
Windows 11 Homeや個人利用として設定するProでは、標準の初期設定フローでインターネット接続とMicrosoftアカウントによるサインインが必要になる場合があります。そのため、ネットワーク接続のない場所でPCを初期設定する運用や、初期設定の段階からオンラインアカウントを使用しない運用は、従来より制約を受けます。一方、セットアップ完了後のローカルアカウントへの切り替えは別の機能であり、Windowsからローカルアカウントが全面的に削除されたわけではありません。
企業では、個人向けの初期設定画面を使って端末を準備していた場合、キッティング手順書や作業時間の見直しが必要になる可能性があります。特に、検証機や予備端末を短時間で初期化・再設定する作業では、初期設定に必要なネットワーク環境とアカウントを事前に確保することが現実的な対応です。ただし、Microsoft Entra IDへの参加やWindows Autopilotを利用する組織向けセットアップまで、今回の「Learn more」経路の変更で利用できなくなったことを意味するものではありません。
ローカルアカウントの利用自体が廃止されたわけではない
初期設定でMicrosoftアカウントを求められることと、Windowsにローカルアカウントでサインインできることは別の問題です。
Microsoftのサポート文書では、Windowsの設定画面からMicrosoftアカウントによるサインインをローカルアカウントに切り替える方法が引き続き案内されています。該当する選択肢が利用できる環境では、Windowsの「設定」→「アカウント」→「ユーザーの情報」から「ローカル アカウントでのサインインに切り替える」を選択します。
ただし、企業が管理するPCでは、組織のアカウントポリシーや端末管理方針に沿って設定を行う必要があります。Microsoftアカウントの回避を前提に非公式のインストール手段へ切り替えると、管理・更新・初期設定の標準化に支障が出る場合があります。
企業PCではMicrosoft Entra IDやAutopilotによる導入手順を確認
Windows 11 Proなどを企業で利用する場合、個人向けのMicrosoftアカウントによる初期設定と、組織のIDを使った導入は分けて考える必要があります。
Microsoftは公式ドキュメントで、OOBE中に「職場または学校向けに設定する」を選び、組織の認証情報でMicrosoft Entra IDに参加させる方法を案内しています。Windows AutopilotとMicrosoft Intuneを組み合わせれば、会社のポリシーに沿った端末登録、アプリ配布、設定適用などを進めることも可能です。なお、Windows 11 HomeはMicrosoft Entra参加の対象ではありません。
社内のPCキッティング手順に「Learn more」などの迂回操作が含まれている場合は、端末のエディション、初期設定時のネットワーク要件、Microsoft Entra IDへの参加方式、標準ユーザー権限の設定を確認し、実際の導入環境で手順を検証する必要があります。
出典
- Bob Pony氏の2026年10月9日付投稿 – Bluesky
- Announcing Windows 11 Insider Preview Build 26120.6772 (Beta Channel) – Microsoft(2025年10月6日)
- Microsoft blocked every Windows 11 account bypass except the most boring link on its own page – Windows Latest(2026年9月13日、独自検証)
- Windows 11’s easiest account bypass gets the Microsoft boot – The Register(2026年10月12日、独自検証)
- Windows でローカル アカウントから Microsoft アカウントに変更する – Microsoft Support(両方向の切り替え手順)
- Microsoft Entra join a new Windows device during the out of box experience – Microsoft Learn
- Overview of Windows Autopilot – Microsoft Learn








