千葉県南房総市、山口県下関市 委託先への不正アクセスによるサイバー攻撃で防災メール配信を緊急停止―「SpeeCAN RAIDEN」への不正アクセス、個人情報漏えいの可能性も

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千葉県南房総市、山口県下関市 委託先への不正アクセスによるサイバー攻撃で防災メール配信を緊急停止―10月13日11時から、復旧時期未定

千葉県南房総市と山口県下関市は2026年10月13日、業務委託先のシステム会社への不正アクセスを受け、市民向けの防災メール配信を同日11時から緊急停止したと発表しました。両市が公開しているメール登録先は、株式会社アルカディアが不正アクセスを受けて停止した防災情報配信サービス「SpeeCAN RAIDEN」の対象環境「raiden3.ktaiwork.jp」と一致しています。

アルカディアは10月13日、同サービスへの第三者による不正アクセスと、登録された連絡先などの個人情報が漏えいした可能性を公表しました。両市の登録者について個別の漏えい件数や流出の事実が確認されたという発表ではありません。両市の防災メールの復旧時期も、13日付の自治体発表では未定です。

南房総市・下関市の防災メール停止のサマリー

  • 対象自治体:千葉県南房総市、山口県下関市
  • 停止したサービス:南房総市安全安心メール、下関市防災メール
  • 配信停止開始:2026年10月13日(火)11時00分
  • 停止の理由:両市が利用するシステム会社への不正アクセス
  • 関連する配信環境:raiden3.ktaiwork.jp(両市の公式登録案内に記載)
  • 運営事業者の発表:アルカディアが「SpeeCAN RAIDEN」への不正アクセスと個人情報漏えいの可能性を公表
  • 事業者側の確認経緯:10月11日16時30分に不審な挙動を検知、12日3時ごろ侵入経路を遮断
  • 復旧見通し:両市の13日付発表およびアルカディアの同日15時50分更新時点で未定
  • 情報漏えい:サービス全体では可能性を調査中。両市における漏えいの有無や対象人数は確定していない
項目 南房総市 下関市
公表日 2026年10月13日(第1報) 2026年10月13日
停止サービス 南房総市安全安心メール 下関市防災メール
配信停止 10月13日11時から 10月13日11時から
利用環境の手掛かり [email protected] [email protected] など
復旧に関する案内 復旧に向けて対応 復旧時は市ホームページで周知

両市で同じ「raiden3.ktaiwork.jp」を使用―アルカディアの停止対象環境と一致

南房総市の公式「安全安心メール配信登録」ページには、配信登録先として [email protected] が掲載されています。下関市の「防災メール」登録案内でも、日本語、英語、韓国語、中国語などの登録先に raiden3.ktaiwork.jp が使われています。

一方、サービス運営会社のアルカディアは、10月13日11時から停止した対象として、SpeeCAN RAIDENの raiden3.ktaiwork.jp と、「ライデン・スクール」の s2.ktaiwork.jp を明示しています。登録ドメインと停止対象が一致することから、両市の防災メールは同じRAIDEN配信環境の停止に伴い影響を受けていると整理できます。

両市の当初の発表では委託先の社名や製品名は記されていませんでしたが、両市の公式登録案内と運営会社の停止告知を照合することで、配信環境のつながりを確認できます。ただし、自治体ごとのデータ保管範囲や漏えいへの影響が同一であることまでは示されていません。

函館市や箕面市など他の自治体で公表された停止状況、アルカディアが示した調査対象6環境、個人情報漏えいの可能性については、SpeeCAN RAIDENへの不正アクセスによるサイバー攻撃の影響自治体まとめで随時整理しています。

アルカディア、10月11日に不審な挙動を検知―連絡先・配信履歴の漏えい可能性を公表

アルカディアの10月13日付発表によると、同社は10月11日16時30分にSpeeCAN RAIDENで不正アクセスが疑われる挙動を確認しました。翌12日3時ごろに侵入経路を塞ぐ応急措置を講じ、影響範囲の調査を開始しています。

同社は、次の6つのサービス環境について、個人情報が漏えいした可能性があると公表しました。

  • raiden.ktaiwork.jp
  • raiden2.ktaiwork.jp
  • raiden3.ktaiwork.jp
  • raiden2.speecan.jp
  • s.ktaiwork.jp
  • s2.ktaiwork.jp

対象となる可能性がある情報は連絡先データ、担当者・契約者情報です。さらにSpeeCAN RAIDEN公式ブログでは、配信履歴に保存されたメール本文も対象に挙げています。今回の発表は漏えいの可能性に関するもので、流出が確認された人数や情報件数を明示したものではありません。

なお、個人情報漏えいの可能性が示された6環境と、10月13日11時にサービス停止が公表された2環境は同じ範囲ではありません。アルカディアは15時50分更新の告知で、侵入経路となった対象サービスを緊急停止中と説明しています。

南房総市は避難情報・津波予報、下関市は多言語の防災メールに影響

南房総市安全安心メールは、気象警報、津波予報、避難情報に加え、電話de詐欺や不審者、行方不明者に関する防犯情報も配信するサービスです。今回の停止により、利用者はメール以外の経路から市の発表や警報を確認する必要があります。

南房総市は従来、市公式ホームページ、市公式LINE、防災行政無線など複数の媒体による情報提供を案内しています。今回の発表で停止が確認されたのは安全安心メールの配信であり、それ以外の情報伝達手段も停止したとの説明ではありません。

下関市は防災メールで気象情報などを配信しており、登録案内には日本語に加えて英語、韓国語、中国語のアドレスも掲載されています。市はメール配信の停止を発表し、再開時には市ホームページで知らせるとしています。

両市において、市役所の業務システム全体が停止したことを示す公表はありません。防災メールを利用する住民は、各市の公式サイトや気象庁などの情報を並行して確認できます。

自治体の委託先被害で確認する必要がある範囲

今回の事案では、外部の共通配信基盤が停止したことで、離れた地域の自治体が同時に影響を受けました。自治体の担当部署と情報システム部門は、メール配信の再開状況に加え、同じ配信基盤に保管される登録情報・配信履歴が調査対象に含まれるかを委託先へ確認する必要があります。

住民への案内では、代替の防災情報入手先と、復旧後の配信再開方法を明示することが課題になります。アルカディアの調査によって情報の持ち出しが判明した場合には、対象自治体や個人への影響に応じた追加の公表・通知が必要になる可能性があります。