防災情報 配信 サービスのSpeeCAN RAIDEN(スピーキャン・ライデン)への不正アクセスによるサイバー攻撃のまとめ-利用自治体の個人情報漏えいの恐れ

サイバー攻撃の事例

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防災情報 配信 サービスのSpeeCAN RAIDENへの不正アクセスによるサイバー攻撃のまとめ-利用自治体の個人情報漏えいの恐れ

防災・防犯情報の一斉配信サービス「SpeeCAN RAIDEN(スピーキャン・ライデン)」を運営する株式会社アルカディアは2026年10月13日、第三者による不正アクセスを受け、登録者情報などが漏えいした可能性があると公表しました。同日11時から一部の配信環境を緊急停止し、復旧日時は未定としています。

影響は複数の自治体へ広がっています。函館市、南房総市、箕面市、下関市に加え、岡山市でも防災メールの停止が公表されました。岡山市ではダム放流通知の電話連絡もできなくなっています。さらに神奈川県綾瀬市では約1万1,000件の登録情報に漏えいの可能性があると報じられ、徳島県美馬市は328名分の氏名や連絡先などが対象となる可能性を公式発表しました。横須賀市も、委託先アルカディアへの不正アクセスを受けて利用者に注意を呼びかけています。

一方、漏えいの可能性がある情報と、実際に外部へ流出したと確認された情報は異なります。現時点でアルカディアは被害件数を公表しておらず、自治体別に対象規模が判明した事案も、確定した流出件数とは扱えません。

SpeeCAN RAIDEN不正アクセスのサマリー

  • 2026年10月11日16時30分、アルカディアが不正アクセスを疑う不審な挙動を検知しました。
  • 10月12日3時ごろ、侵入経路を塞ぐ応急措置を実施。影響範囲の調査を開始しました。
  • 10月13日、第三者による不正アクセスと個人情報漏えいの可能性を公表しました。
  • 漏えい可能性のある情報は、連絡先・担当者・契約者情報など。公式ブログでは配信履歴の本文も対象に含めています。
  • 調査対象として6つのドメインを公表し、このうち2環境の配信サービスを13日11時から緊急停止しています。
  • 函館市、南房総市、箕面市、下関市、岡山市では、自治体の公式情報により防災・安全情報メールの停止を確認できます。
  • 岡山市では、防災メールに加えてダム放流通知先への電話連絡も停止しています。
  • 綾瀬市では約1万1,000件の登録情報に漏えいの可能性があり、メールサービスを停止したとテレビ朝日が報じました。
  • 美馬市は328名分の氏名・電話番号・FAX番号・メールアドレスに漏えいの可能性があると発表しました。
  • 横須賀市、栗山町、東郷町でも、アルカディアが関係する配信サービスへの不正アクセスに関する情報や注意喚起を確認しました。
  • 大分県でも防災メールと職員参集・安否確認システムの計3万7,936件に漏えいの可能性があると報じられています。過去の県の契約資料にはアルカディアが委託先として記載されていますが、今回の同一侵害に起因するとまでは認定できません。
項目 公表内容
サービス運営会社 株式会社アルカディア
主な対象 SpeeCAN RAIDENおよび関連配信サービス
不審な挙動の検知 2026年10月11日16時30分
侵入経路の応急遮断 10月12日3時ごろ
不正アクセス・漏えい可能性の公表 10月13日
緊急停止開始 10月13日11時
漏えい可能性のある情報 連絡先・担当者・契約者情報、配信履歴の本文(公式ブログ)
全体の漏えい対象件数 公表なし
復旧の見通し 10月13日15時50分更新の事業者告知時点で未定

アルカディアが公表した6ドメインと、停止した2環境

アルカディアの10月13日付公表資料は、個人情報が漏えいした可能性のある対象サービスとして6ドメインを挙げています。一方、同日15時50分更新の緊急停止告知で、11時からの停止対象とされたのは2環境です。

漏えい可能性の調査対象 10月13日11時からの停止対象
raiden.ktaiwork.jp 緊急停止告知では指定されていない
raiden2.ktaiwork.jp 緊急停止告知では指定されていない
raiden3.ktaiwork.jp SpeeCAN RAIDENの停止対象
raiden2.speecan.jp 緊急停止告知では指定されていない
s.ktaiwork.jp 緊急停止告知では指定されていない
s2.ktaiwork.jp ライデン・スクールの停止対象

「漏えいの可能性がある環境」と「実際に停止した環境」は別の区分です。6つのドメインがすべて停止したと解釈することはできません。各環境に保存されていた情報の範囲や、第三者による閲覧・取得の有無は調査段階です。

また、アルカディアの公式PDFが「連絡先データ・担当者・契約者情報」を挙げているのに対し、同社公式ブログは「配信履歴にある本文」も対象として明記しています。配信内容には自治体・団体によって異なる情報が含まれるため、委託元ごとの保存対象の確認が必要です。

影響自治体一覧―防災メールの停止、情報漏えいの可能性を区別

以下は、自治体自身の公表や登録案内、自治体への取材に基づく報道を照合した一覧です。停止の有無、漏えいの可能性、登録先ドメインが確認できたかを区別しています。自治体名の数は登録者数や流出確定件数を意味しません。

自治体 確認された影響 関連性を確認できる根拠
北海道函館市 ANSINメールが10月13日11時から停止。復旧日時は未定。LINE・Xで代替配信 市の停止告知と、登録案内に記された raiden3.ktaiwork.jp
千葉県南房総市 安全安心メールが同日11時から停止。委託先への不正アクセスを説明 市の告知と、登録案内の raiden3.ktaiwork.jp
大阪府箕面市 市民安全メールと防災アプリ「ハザードン」による市からのお知らせ配信が同日11時から停止 市の公式発表がSpeeCAN RAIDENとアルカディアを直接明示
山口県下関市 下関市防災メールが同日11時から停止。委託先への不正アクセスを説明 市の告知と、登録案内の raiden3.ktaiwork.jp
岡山県岡山市 岡山市防災メールと、ダム放流通知先への電話連絡が停止。登録メールアドレス、放流通知先の氏名・電話番号に漏えいの可能性 市の10月13日発表と公式登録案内の raiden3.ktaiwork.jp が一致
神奈川県綾瀬市 あやせ安全・安心メールの登録情報約1万1,000件に漏えいの可能性。サービス停止も報道 テレビ朝日による市への取材報道が委託先アルカディアを明示
神奈川県横須賀市 よこすか防犯あんしんメールの委託先アルカディアへの不正アクセスを受け、登録者に注意喚起。情報漏えいの有無は調査中 ASCII.jpの市の発表に基づく報道。サービス停止は本報道では確認できない
徳島県美馬市 防災行政発信システムに登録されていた328名分の氏名、電話番号、FAX番号、メールアドレスに漏えいの可能性 市の10月13日付公式発表がアルカディアへの不正アクセスを明示。配信停止の有無は記載なし
北海道栗山町 防災情報メールの「連絡先データ」に漏えいの可能性 町の公式発表と、登録案内の raiden3.ktaiwork.jp。町の配信停止は未確認
愛知県東郷町 地域安心メールの委託先への不正アクセスを注意喚起 町公式の登録案内に、調査対象6ドメインの一つである raiden.ktaiwork.jp が記載されている。注意喚起の内容は配信アーカイブでも確認

このうち、函館市・南房総市・箕面市・下関市・岡山市の5市は自治体の公式発表から配信停止を確認できます。綾瀬市の配信停止は10月13日16時52分のテレビ朝日報道に基づきます。横須賀市・美馬市などでは不正アクセスに関する公表はあるものの、それをもって配信停止した自治体数に加えていません。

岡山市ではダム放流通知の電話連絡も停止

岡山市は10月13日、災害時一斉情報配信サービスの運営事業者に対する不正アクセスに伴い、防災メールに登録したメールアドレスと、ダム放流通知先の氏名・電話番号に漏えいの可能性があると公表しました。調査時点で実際の情報流出は確認されていないとしています。

障害により、岡山市防災メールからの配信に加えて、ダムの放流通知を電話で連絡する機能も利用できなくなっています。市は気象庁や岡山県・岡山市のウェブサイト、報道機関などから情報を得るよう案内しています。

岡山市の公式登録案内には [email protected] などが記載されており、アルカディアが停止を公表した raiden3.ktaiwork.jp と一致しています。このため、単なる類似障害ではなく、停止対象の配信環境を利用していることまで確認できます。

綾瀬市は約1万1,000件、美馬市は328名分に漏えいの可能性

テレビ朝日の10月13日付報道によると、綾瀬市が運営を委託する「あやせ安全・安心メールサービス」では、メールアドレスや地区情報など約1万1,000件の個人情報が漏えいした可能性があります。同市は委託先をアルカディアと説明したと報じられています。実際に情報が不正利用された事実は確認されておらず、メールサービスは緊急停止したとしています。この数字は市への取材に基づく報道値であり、確定した流出件数ではありません。

徳島県美馬市は同日、架電・FAX・メール配信を行う防災行政発信システムについて、328名分の氏名、電話番号、FAX番号、メールアドレスに漏えいのおそれがあると発表しました。市の説明ではNTT西日本から連絡を受けたとともに、アルカディアによる不正アクセスが明記されています。複数事業者が関わるサービス提供体制で、委託元自治体に影響が及んだことがうかがえます。ただし、契約上の再委託関係や侵入の技術的経路は、この発表のみでは特定できません。

横須賀市については「よこすか防犯あんしんメール」の委託先アルカディアへの不正アクセスが報じられていますが、利用者データの外部流出や被害件数は調査中です。報道では利用者に不審なメールへの注意を呼びかけたとしています。

大分県でも3万7,936件に漏えいの可能性―アルカディアとの過去の契約記録

大分県の防災メール等配信システムについては、10月13日のテレビ大分・大分放送の報道で、県民向け「県民安全・安心メール」の登録情報2万7,667件、県職員の参集・安否確認システムの情報1万269件が漏えいの可能性のある対象とされています。両区分の単純合計は3万7,936件です。重複を除いた人数でも、実際に流出したことが確認された件数でもありません。

大分県の令和6年度随意契約資料には、「大分県防災メール等配信システム運用保守委託業務」の契約先としてアルカディアが記載されています。2024年9月9日の契約額は831万6,000円で、同社が構築したシステムの運用に関する契約です。

この公的記録は両者の委託関係を裏付けるものですが、2026年10月の県の被害がSpeeCAN RAIDENで確認された同一の侵入によるものかどうかや、現在の対象環境まで立証するものではありません。そのため、大分県は影響が確定した自治体の一覧とは分けて取り扱っています。

防災メール以外にも波及―配信経路ごとの影響を確認

SpeeCAN RAIDENは、メールだけでなく合成音声による電話、FAX、自治体のウェブサイト、SNSなどへ一斉配信する仕組みです。オプションには防災アプリ、気象情報、J-ALERTとの連携機能もあります。

今回は箕面市の「ハザードン」経由の市からのお知らせ配信や、岡山市のダム放流通知の電話連絡にも停止が及んでいます。したがって、同じ製品を利用していても、自治体によって停止する機能が異なる可能性があります。製品がJ-ALERTと連携できることは、J-ALERT自体が侵害・停止したことを意味しません。

自治体や委託元では、利用するドメインと停止対象との一致を確認するだけでなく、防災メール、職員参集、架電、FAX、外部アプリへの連携など、業務ごとに代替経路を整理する必要があります。配信サービスの復旧と、登録情報・配信履歴の漏えい調査は並行して実施される別の対応です。

自治体・委託元が優先して確認する事項

  1. 契約している環境が、アルカディアの公表した6ドメインのどれに該当し、11時からの停止対象2環境に含まれるかを確認する。
  2. 住民や職員の連絡先、担当者・契約者情報、配信履歴の本文について、何が保存され、どこまで第三者がアクセスできた可能性があるか事業者へ照会する。
  3. メール、電話、FAX、防災アプリ、ダム放流通知などの配信経路ごとに稼働状態を確認し、機能停止中の代替手段を住民・関係者へ案内する。
  4. 受託事業者との間で、ログ保全、調査報告、本人通知、必要な行政報告、再開条件を確認する。NTT西日本など複数の事業者が関係する場合には報告・責任分担も整理する。

アルカディアの個人情報相談窓口は、電話 050-5830-0750、メール [email protected]、受付は平日9時〜17時です。停止状況は運営会社の緊急停止告知に掲載されています。

出典