01銀行株式会社(01Bank)は2026年8月27日、同行システムへの第三者による不正アクセスについて、顧客情報の一部が窃取され、漏えいしたことを確認したと公表しました。
同行は8月17日に不正アクセスを検知して調査を開始し、8月21日に第一報を公表していました。その後の調査で、システムが使用する顧客識別情報とメールアドレスの漏えいを確認しています。
漏えいした情報は最大100社分です。同行は漏えいした情報の項目と件数を確認している一方、8月27日時点では対象となった顧客を特定できていないと説明しています。このため、漏えいの可能性がある顧客に対して通知と注意喚起を行っています。
現時点で、漏えいした情報が悪用された二次被害は確認されていません。同行は不正アクセス経路を遮断し、今回確認された手法では不正アクセスできない状態にしたうえで、外部専門家を交えた調査を継続しています。
01銀行の不正アクセス・情報漏えいのサマリー
- 01銀行は2026年8月17日、同行システムへの第三者による不正アクセスを検知しました。
- 8月21日に第一報として「当行システムに対する不正アクセスのお知らせ」を公表しました。
- 8月27日の続報で、顧客情報の一部が窃取され、漏えいした事実を確認したと公表しました。
- 漏えいが確認された情報は、システムが使用する顧客識別情報とメールアドレスです。
- 漏えいした情報は最大100社分です。
- 同行は情報の項目と件数を確認していますが、対象となった顧客は8月27日時点で特定できていません。
- このため、漏えいの可能性がある顧客へ通知と注意喚起を行っています。
- 漏えい情報が悪用された二次被害は、8月27日時点で確認されていません。
- 同行は不正アクセス経路を遮断し、今回確認された手法による不正アクセスは行えない状態にしたとしています。
- 侵入経路や攻撃手法の詳細、攻撃者、ランサムウェアの有無は公表されていません。
- 口座情報、ログインパスワード、取引情報などが漏えい対象に含まれるとの公表はありません。
- 関係当局への報告と警察への相談は公表されていますが、個人情報保護委員会への報告かどうかは確認できませんでした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公表日 | 2026年8月27日 |
| 発生日・確認日 | 2026年8月17日に不正アクセスを検知 |
| 第一報 | 2026年8月21日 |
| 対象組織 | 01銀行株式会社(01Bank) |
| インシデント | 同行システムへの第三者による不正アクセス、顧客情報の窃取・漏えい |
| 侵入経路 | 詳細は公表されていません。不正アクセス経路は遮断済み |
| 漏えいが確認された情報 | システムが使用する顧客識別情報、メールアドレス |
| 対象件数 | 最大100社分 |
| 対象顧客 | 8月27日時点で特定できていません |
| 二次被害 | 確認されていません |
| 対応状況 | 不正アクセス経路を遮断、外部専門家を交え調査継続 |
| 警察 | 相談済み |
| 関係当局 | 報告済み |
| 個人情報保護委員会への報告 | 公表資料からは確認できませんでした |
8月17日に不正アクセスを検知、21日に第一報
01銀行によると、第三者による不正アクセスを検知したのは2026年8月17日です。
同行は検知後に調査を開始し、8月21日に「当行システムに対する不正アクセスのお知らせ」として第一報を公表しました。
その後も調査を継続した結果、顧客情報の一部について、第三者による窃取と漏えいが発生していたことを確認しました。
8月27日の続報は、不正アクセスの発生だけを公表した第一報から、情報漏えいを確認した段階へ更新されたものです。
顧客識別情報とメールアドレスの漏えいを確認
漏えいが確認されたのは、システムが使用する顧客識別情報とメールアドレスです。
同行は今回の公表で、単に「アクセスされた可能性がある」「漏えいの可能性を否定できない」としているのではなく、情報が窃取され、漏えいした事実を確認したとしています。
一方、口座番号、預金残高、取引履歴、ログインID、ログインパスワード、ワンタイムパスワードなどについて、漏えいしたとの記載はありません。
公表されていない情報について影響がなかったと断定することはできませんが、少なくとも8月27日のリリースで「漏えいが確認された情報」として挙げられているのは、顧客識別情報とメールアドレスです。
漏えいは最大100社分、対象顧客はまだ特定できず
01銀行は、漏えいした情報について「最大100社」としています。
同行によると、漏えいした情報の項目と件数は確認できている一方、どの顧客が対象になったのかは特定できていません。
このため、同行は漏えいの可能性がある顧客に対して、個別の通知と注意喚起を行うとしています。
「最大100社」は、同行が漏えいした情報について公表している最大規模です。一方で対象顧客の特定が完了していないため、「100社すべての顧客が個別に特定されている」と解釈するのは適切ではありません。
現時点で二次被害は確認されず
8月27日時点で、漏えいした情報が悪用された二次被害は確認されていません。
ただし、同行は顧客に対し、不審なメールや連絡に注意するよう呼びかけています。
特に01銀行は、ログインを誘導するメールを送っていないとして、顧客の不安をあおり、ログインを促すメールは詐欺の可能性があると注意喚起しています。
今回メールアドレスの漏えいが確認されているため、今後想定される二次被害として、01銀行や金融機関を装ったフィッシングメール、なりすまし連絡などには注意が必要です。
ただし、こうしたフィッシングなどの二次被害が実際に発生したという意味ではありません。現時点では、同行も悪用を確認していないとしています。
01銀行は以前から、顧客向けメールからログイン用URLを削除するなど、フィッシング対策を実施しています。2026年4月には、不正アクセスやフィッシング詐欺対策強化のため、顧客向けメールにログイン用URLを記載しない運用へ変更していました。
不正アクセス経路を遮断、外部専門家と調査継続
01銀行は本件を確認後、不正アクセス経路を遮断するなどの暫定対策を実施しました。
8月27日時点では、今回確認された手法による不正アクセスは行えない状態になっているとしています。
ただし、不正アクセスに使われた具体的な経路や脆弱性、認証情報の悪用、設定不備の有無など、技術的な詳細は公表されていません。
また、ランサムウェア感染、マルウェアの設置、身代金要求などについても公表されていないため、本件をランサムウェア攻撃とみなす根拠はありません。
現在も外部専門家を交えて調査を継続しており、新たな事実が判明した場合は速やかに公表するとしています。
関係当局へ報告、警察にも相談
同行は、本件について関係当局への報告を行い、警察にも相談していると公表しています。
一方、公表資料では「関係当局」の具体的な名称は示されていません。
そのため、個人情報保護委員会への漏えい報告を行ったかどうかについては、8月27日のリリースだけでは確認できませんでした。
金融機関のインシデントでは監督当局や個人情報保護当局への報告が論点になりますが、実際にどの当局へ報告したかは公式発表に基づいて区別する必要があります。
「漏えい件数は分かるが対象者を特定できない」事案で求められる対応
今回の公表で実務上注目されるのが、漏えいした情報の項目と件数は把握している一方、対象となった顧客を特定できていない点です。
これは01銀行の管理体制に問題があったと直ちに意味するものではありません。対象者を特定できない理由は公表されていないためです。
一方、一般論として、情報漏えい発生後に影響範囲を迅速に特定するには、誰のデータがどのシステムに保存され、どの処理で参照・出力されたかを追跡できることが重要です。
顧客IDとメールアドレスの対応関係、データベースへのアクセスログ、エクスポート履歴、APIの呼び出し履歴、バックアップや一時ファイルの配置状況などを平時から把握しておくことで、インシデント発生時の対象者特定を支援できます。
情報システム・セキュリティ部門への示唆
今回の事案では、不正アクセスの検知から4日後に第一報を公表し、その6日後に情報漏えい確認の続報が出ています。
インシデント対応では、第一報の段階で影響範囲が確定していないことは珍しくありません。その場合、「不正アクセスを確認」「情報へアクセスされた可能性」「情報漏えいを確認」といった状態を更新しながら公表することが重要です。
今回の01銀行の公表も、8月21日の不正アクセス確認から、8月27日の情報漏えい確認へ内容が更新されています。
企業側では、侵入経路の遮断やパッチ適用だけでなく、侵害前後のログを保全し、どのデータへアクセスされたか、実際に外部へ持ち出されたか、対象者を特定できるかまで調査できる体制を整える必要があります。
また、メールアドレスが漏えいした場合、攻撃者がその後の公式発表を利用し、「情報漏えい確認」「本人確認」「セキュリティ設定変更」などを装ってフィッシングを仕掛ける可能性があります。
インシデント公表と同時に、正規の連絡方法、メール内リンクの扱い、問い合わせ窓口を明確にし、顧客が正規連絡と偽メールを見分けやすい状態を作ることも二次被害防止の一部です。




