東大阪の真空機器メーカーで約5,900万円横領容疑、元経理責任者を逮捕 投げ銭に利用か警察は2億円超の被害を捜査

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東大阪の真空機器メーカーで約5,900万円横領容疑、元経理責任者を逮捕 投げ銭に利用か警察は2億円超の被害を捜査

2026年10月22日、大阪府警は、大阪府東大阪市にあった機械メーカーの元経理責任者の男を、業務上横領の疑いで逮捕しました。2024年3月から9月にかけ、会社の預金口座から自身の口座へ60回以上送金し、約5,900万円を横領した疑いが持たれています。

朝日放送テレビ(ABCニュース)によると、男は会社の経理を一人で担当しており、正規の支払いに紛れ込ませる形で送金を繰り返していたとみられます。警察は、入社した2020年以降の横領総額が2億円を超える可能性もあるとみて捜査しています。

事件のサマリー

  • 2026年10月22日、元経理責任者の菊農幹宣容疑者(62)が業務上横領の疑いで逮捕されたと報じられました。
  • 被害に遭ったのは東大阪市の機械メーカーで、真空機器・真空ポンプなどを扱っていた企業と報じられています。正式な社名は確認できていません。
  • 逮捕容疑の対象期間は2024年3月から9月まで、金額は約5,900万円です。
  • 会社口座から自身の口座に60回以上送金した疑いがあり、1回当たりの金額はおおむね70万~90万円でした。
  • 菊農容疑者は当時、一人で経理を担当していたと報じられています。
  • 本人は横領した金をSNS配信者への「投げ銭」や遊興費に使った趣旨の供述をしており、警察は余罪を捜査しています。
  • 警察は2020年の入社以降、総額2億円以上が横領された可能性を調べています。この金額は今回の逮捕容疑約5,900万円と別に合算するものではありません。
  • 被害企業は現在、廃業しています。ただし、廃業に至った原因を本件だけに帰することはできません。
項目 内容
報道日 2026年10月22日
所在地・業種 大阪府東大阪市の機械メーカー(真空機器関連)
被疑者 菊農幹宣容疑者(62)、元経理責任者
逮捕容疑 業務上横領
逮捕容疑の対象期間 2024年3月~9月
逮捕容疑の金額 約5,900万円
資金移動の回数 60回以上
送金額の目安 1回当たり約70万~90万円
警察が調べている被害規模 2020年以降、総額2億円超の可能性
被害企業の現況 廃業

正規の支払いに紛れ込ませ、60回以上に分けて送金した疑い

ABCニュースが10月22日17時05分に配信した報道によると、菊農容疑者は2024年3月から9月にかけて、勤務していた会社の預金口座から、自身の名義の口座へ現金約5,900万円を移した疑いが持たれています。

特徴は、1回の送金額を70万~90万円程度とし、60回以上に分けていた点です。会社の通常の支払いに紛れ込ませる方法だったと報じられています。多額の資金が一度に移動する取引だけを監視していても、こうした分割送金は見落とされるおそれがあります。

一方、今回使われた金融機関の具体的なサービス、送金の承認手続き、会計システム、送金権限の設定などは明らかになっていません。インターネットバンキングの特権権限や不正なログインが使われたといった、報道されていない手法を本件の原因として断定することはできません。

警察は2020年の入社以降を調査、総額2億円超の可能性

約5,900万円は、2024年3~9月の行為について今回逮捕容疑となった金額です。これとは別に、警察は菊農容疑者が入社した2020年以降に2億円を超える金額を横領していた可能性があるとみて調べています。

ABCニュースによると、菊農容疑者は横領した資金をSNS配信者への投げ銭や遊興費に使った趣旨の供述をしており、横領した金の大半が投げ銭に充てられたとみられています。投げ銭先の特定、送金先別の金額や最終的な被害額は、今後の捜査に委ねられます。

逮捕は有罪判決を意味しません。本件の刑事責任や最終的に認定される被害額は、捜査・司法手続きを経て判断されます。

被害企業は廃業、事業継続への影響にも目を向ける

ABCニュースは、被害に遭った会社が現在廃業していると報じています。横領の疑いが持たれている多額の資金流出と廃業の事実は、いずれも企業経営に関わる事項です。ただし、資金流出が廃業の唯一の原因だったかどうかは同報道からは判断できません。

会社の正式名称が公表・確認されていない段階で、東大阪市内の特定の真空機器メーカーを事件の被害企業として名指しすることは避ける必要があります。

経理不正は、サイバー攻撃とは異なり、外部からのシステム侵入を伴わずに発生する場合があります。企業側では、情報システムのアクセス制御に加えて、資金移動の承認方法、取引先情報の更新、帳簿と銀行残高の照合、管理者による定期確認を組み合わせる必要があります。

「一人で経理」のリスク、経理・情シス・経営層が確認したい対策

本件では、一人の担当者が経理を担っていたことが報じられています。ただし、被害企業が具体的にどのような社内規程や承認体制を設けていたかまでは分かっていません。以下は、本件で確認された分割送金という特徴から、一般的な不正防止策を整理したものです。

点検対象 具体的な確認・対策
送金の起票・承認 振込の登録者と最終承認者を分離し、同一人物が両方を実行できる例外権限を点検する
振込先の登録・変更 新規振込先、従業員個人口座、振込先名義の変更について、別の担当者による確認を必須とする
少額・分割送金 1件当たりの金額だけでなく、同一口座への累積金額、短期間の送金回数、反復的な送金を確認する
会計と預金の照合 銀行取引明細と会計帳簿・請求書・支払先を、送金担当者以外が照合する
管理者権限 インターネットバンキングや会計システムの権限一覧を定期的にレビューし、不要な例外を解除する
証跡保全 送金申請、承認、振込先変更、管理者による設定変更の履歴を保存し、必要に応じて独立した担当者が確認する

特に分割送金への対策では、「1回100万円以上の送金だけをアラート対象にする」といった単一条件では十分とは限りません。たとえば、同じ口座への短期間の送金回数や累積金額、振込先名義と取引先台帳の不一致を組み合わせて確認する方法が考えられます。これは本件の実際の検知設定を示すものではなく、再発防止に向けた一般的な設計例です。

IPAの「組織における内部不正防止ガイドライン」は、経営者の責任、アクセス権限の管理、操作履歴の記録・監査、事後対策などを体系的に整理しています。情報資産に関するガイドラインですが、権限の集中を防ぎ、証跡を第三者が確認できるようにする考え方は、会計・送金システムの運用設計にも参考になります。

なお、セキュリティ対策Labでは、イーエムネットジャパン元CFOによる横領事件で問題となった送金起票・承認権限や、コメ兵HD子会社セルビーの元経理責任者の横領事件と口座管理も紹介しています。いずれも本件とは別の事件ですが、システム上の権限と業務上の承認ルールが一致しているかを確認する際の参考になります。

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