長野中央病院で元職員が十数年にわたりレジから現金を窃取—被害総額は数千万円規模か

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長野中央病院で元職員が十数年にわたりレジから現金を窃取—被害総額は数千万円規模か

長野市にある長野中央病院で、元事務職員が会計窓口のレジから現金を盗んでいたことが発覚し、同病院は当該職員を懲戒解雇したと発表しました。被害総額は数千万円に及ぶ可能性があるとして、病院側は刑事告訴を含めた対応を検討しています。

長年にわたる不正行為が発覚

不正行為を行っていたのは、医事課に所属していた50代の男性職員です。この職員は、会計窓口のレジのデータを改ざんし、十数年にわたって少額ずつ現金を盗み続けていたとされています。

病院側は、2024年に内部通報を受けて調査を開始。その結果、不正の実態が明らかとなり、2024年8月末に男性職員を懲戒解雇しました。病院は、今後刑事告訴を含めた法的措置を検討するとしています。

被害総額は数千万円に達する可能性

この職員が行った手口は、一度に多額の現金を盗むのではなく、長期間にわたって少額ずつ抜き取るというものでした。そのため、最終的な被害額の算定は難しいものの、総額は数千万円に及ぶ可能性があると病院側は見ています。

病院側の対応と今後の調査

病院は3月5日に職員向けの説明会を実施し、約200人が参加しました。また、今回の事案を受けて、他にも同様の不正を行っていた職員がいないかどうかを含め、継続的な調査を実施しています。

内部通報の仕組みが機能し、不正行為が明るみに出たことは評価できますが、十数年にわたって発覚しなかった管理体制の問題も浮き彫りになりました。今後、病院がどのように再発防止策を講じるかが注目されます。

病院で発生したセキュリティインシデント事例

着服ではないですが、直近病院で発生したセキュリティインシデント事例は以下です。

公立富岡総合病院が1万7000人分の個人情報が保存されたUSBを紛失

2024年9月3日 群馬県富岡市の公立富岡総合病院において、歯科口腔外科に受診された方の診療情報が複写保存されたUSBの紛失が判明し、USBには1万7000人分の個人情報が保存されていた事を発表しました。現在USBは見つかっていないとの事

岡山県精神科医療センターにおける個人情報漏洩

岡山県精神科医療センターでは、推測可能なID・パスワードの使用やVPN装置の脆弱性の放置、管理者権限の安易な付与などが原因で、要配慮個人情報がダークウェブに漏洩する事案が発生しました。

宇都宮セントラルクリニック、ランサムウェアで約30万人の個人情報漏洩の可能性

医療法人DIC 宇都宮セントラルクリニックは、同院のサーバーがランサムウェア攻撃を受けたことを公表しました。これにより、最大30万人分の個人情報が外部へ漏えいした可能性があるとし、患者や関係者に対して注意を呼びかけています。

また、同院の診察および健康診断業務も引き続き制限される見通しです。

同時期にランサムウェア 攻撃 グループ Qilinが宇都宮セントラルクリニックへの不正アクセスと情報窃取を主張しています。

参照

被害総額は数千万円か…病院のレジから元職員が現金盗む 10数年にわたって少額ずつ…懲戒解雇 長野中央病院