スペイン国家警察は2026年4月、アルメリアでスペイン語の海賊版マンガを違法配信していた大規模オンライン基盤を摘発しました。現地報道によると、警察はこのサービスをスペイン語圏最大級の違法マンガ配信基盤と位置付けており、2014年から運営され、毎月数百万規模のアクセスを集めていたと説明しています。得られた不正利益は400万ユーロを超え、 1ユーロ=186.81円 で換算すると、約7億4724万円を超える規模になります。
何が起きたか
現地報道によると、今回の摘発はスペイン国家警察による捜査の結果として行われたもので、アルメリアで3人が拘束され、知的財産権侵害の継続犯の疑いで司法当局に送致されました。警察は、このサイトが著作権で保護されたマンガ作品を大規模かつ継続的に無断配信していたとみており、長年にわたり無料で大量の作品へアクセスできる状態を提供していたと説明しています。
この基盤は、単なる小規模な違法サイトではなく、スペイン語圏全体で強い影響力を持つ海賊版流通の中核だったとされています。現地報道では、権利者、出版社、翻訳者、文化産業全体に深刻な被害を与えていたと警察が評価していることも伝えられています。
収益構造
今回の事案で特徴的なのは、違法配信サービスが広告で大きな利益を上げていた点です。報道によると、利用者が作品を閲覧する過程で大量のポップアップ広告が表示される仕組みになっており、これが高トラフィックと結び付いて大きな収益を生んでいました。警察は、この方法で400万ユーロ超の利益が生じていたとみています。日本円では約7億4724万円超に相当します。
さらに、表示されていた広告の多くはポルノ系だったとされます。報道では、利用者の中に未成年者が多く含まれていた可能性があるとして、著作権侵害だけでなく社会的な問題性も指摘されています。
捜索で見つかったもの
報道によると、警察は主要な被疑者の自宅で複雑な技術基盤を確認しました。加えて、壁掛け温度計の内部に隠されていたUSB機器2本を押収し、その中から40万ユーロ超相当の暗号資産コールドウォレットを発見したとしています。4月23日のECBレートで換算すると、40万ユーロは約7472万4000円であり、実際には40万ユーロ超なので日本円でも約7472万円超になります。現場では、補完用の新たな海賊版サイトも開発中だったとされ、警察は今回の摘発でその立ち上げも阻止したと説明しています。
情報システム部門が見るべきポイント
今回の件は、海賊版サイトの収益源がサブスクリプションや仮想通貨課金ではなく、広告でも十分に成立することを改めて示しています。特に、高トラフィックと過剰なポップアップ広告を組み合わせるモデルは、違法配信であっても長期間の運営を可能にします。権利侵害対策はコンテンツ削除だけでは不十分で、広告ネットワーク、収益化基盤、運営インフラ、暗号資産保管手段まで含めて追わなければ実効性が出にくいことが分かります。
また、補完サイトの開発段階まで把握されていた点からも、海賊版運営者は単一ドメインの閉鎖を前提に冗長化を進めていた可能性があります。権利保護やセキュリティ運用の観点では、一つのサイト閉鎖で終わりと見ず、関連インフラや後継サイトの準備まで含めて監視する必要があります。








