日本生命保険相互会社は2025年9月12日、同社から銀行などの代理店に出向していた職員が不適切な手段で代理店内部情報を取得・社内共有していた事案について、金融庁への報告内容を公表しました。調査の結果、7代理店・604件の情報取得が確認され、対象情報は銀行の保険販売に関する業績や執行方針、行員の業績評価基準、他社商品情報などに及びます。
調査結果
調査によれば、2019年5月〜2025年2月の間、銀行への出向者が私用スマートフォンのメッセージアプリや郵送など本来許容されない経路で、銀行の生命保険販売推進や業績評価体系等に関する内部情報(画像データ等を含む)を取得し、同社の銀行本部窓口担当者へ共有。
窓口担当者側では、その画像を加工・転記したり「逆流厳禁」の文言を付して資料化し、社内の関係者に広く展開していました。
対象代理店は7、確認件数は604件です。
同社は、これらの行為が不正競争防止法における営業秘密保護の趣旨に照らし適切ではないとの認識を示しています。
一方で、明示的な社内指示は認められなかったこと、顧客情報の取得やグループ外第三者への共有は現時点で確認されていないことも併せて記載しています。なお、銀行以外の代理店に派遣された出向者についても調査を行い、複数代理店で同様の不適切取得が判明しています。
原因
原因として同社は、
①情報取扱ルール・関連法令の周知不足、
②出向者の貢献意欲と評価インセンティブ、
③情報受領側(銀行本部窓口担当者)とその管理職のコンプライアンス意識・牽制不足、
④第1.5線(事業部門内のリスク管理機能)による異常検知の遅れ、
⑤第2線・第3線(コンプライアンス/内部監査)の教育・牽制の不十分さ
を挙げています。いわば「成果志向の情報収集が慣行化し、三線ディフェンスの各層が十分に働かなかった」構図です。








