千葉県松戸市の医療法人徳洲会・千葉西総合病院は2026年10月10日、患者の個人情報を含む動画がSNSに投稿された問題について第3報を公表し、動画の撮影に関与した職員2人を解雇したと明らかにしました。動画を閲覧したのみで撮影・作成・投稿に関与していなかった職員1人は、厳重注意(人事指導)としています。
この事案は10月5日の夜勤中に撮影された動画を3人のグループ内で共有した後、X(旧Twitter)上への投稿が確認されたものです。病院は個人情報の漏えいを認め、患者家族への謝罪や個人情報保護委員会への報告を行っています。なお、10月9日の第2報に一時記載されていた「出勤停止処分」は、10月10日付で「自宅待機」に訂正されています。
千葉西総合病院のSNS動画投稿事案のサマリー
- 2026年10月5日の夜勤中、女性看護師2人が患者の映り込んだ動画を撮影しました。
- 動画は別の看護師1人を含む3人のグループ内で共有されました。
- 10月8日、グループ病院職員からの連絡で、病院がX上の動画投稿を把握しました。
- 病院は患者の個人情報が漏えいしたことを公表し、同日、個人情報保護委員会へ報告しました。
- 10月10日の第3報で、動画の撮影・作成・投稿に2人が関与し、残る1人は閲覧のみだったと説明しました。
- 同日に懲戒委員会を開き、撮影した2人を解雇、閲覧のみの1人を厳重注意(人事指導)と決定しました。
- 初動で3人に命じた措置の正式な表記は「自宅待機」であり、「出勤停止処分」ではありません。
- 再発防止に向け、全職員対象の個人情報保護・SNS取り扱い研修をeラーニングで実施し、医療倫理・患者の権利に関する研修も予定しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象組織 | 医療法人徳洲会 千葉西総合病院(千葉県松戸市) |
| 動画撮影 | 2026年10月5日・夜勤中 |
| 発覚 | 2026年10月8日15時18~30分ごろ |
| 公表 | 第1報:10月8日/第2報:10月9日/第3報:10月10日 |
| 事案 | 患者の個人情報を含む動画の無断撮影・SNS投稿 |
| 関係職員 | 撮影・作成・投稿に関与した2人、閲覧のみの1人 |
| 10月10日に決定した処分 | 2人を解雇、1人を厳重注意(人事指導) |
| 初動時の措置 | 関係する3人を自宅待機(第2報の表記訂正による) |
| 当局への報告 | 個人情報保護委員会(10月8日)、松戸保健所・松戸市役所(10月9日) |
10月10日の第3報で2人の解雇を公表、閲覧のみの1人は厳重注意
病院は10月10日に懲戒委員会を開催し、動画を撮影した職員2人の解雇を決定しました。第3報では、2人が動画の撮影・作成・投稿に関わっていたと説明する一方、3人の共有グループに参加していた別の1人は閲覧したのみで、これらの行為に関与していなかったとしています。
第2報で明らかにされたのは、夜勤中に2人が撮影した動画が3人のグループコンテンツで共有されていたことです。病院によると、当事者らには不特定多数へ拡散したとの自覚はなく、グループ内で共有する認識だったといいます。10月8日にはX上に動画が投稿されているとの連絡があり、事案が発覚しました。第3報は撮影・作成・投稿に関与した職員を2人としていますが、グループ内共有からX上の拡散に至る具体的な経路までは説明していません。
「出勤停止処分」を「自宅待機」に訂正―10月8日の措置と懲戒処分を区別
10月9日公表の第2報には当初、関係職員3人に対する措置として「出勤停止処分」と記載されていました。その後、病院は10月10日付の注記で「自宅待機」へ訂正。院内の正式な用語に合わせた修正であり、措置の内容に変更はないと説明しています。
したがって、本件の処遇は、事実確認を進める段階で3人を自宅待機とした初動措置と、10月10日の懲戒委員会で決定した2人の解雇・1人の厳重注意に分けて整理する必要があります。
患者家族への謝罪、個人情報保護委員会への報告と研修
病院は10月8日、個人情報が漏えいした患者の家族に電話で事実を説明して謝罪し、Xへの削除依頼と個人情報保護委員会への報告を行いました。翌9日には患者家族に直接謝罪したほか、松戸保健所(千葉県)と松戸市役所へ事案を報告しました。
再発防止について、第2報では院内の個人情報管理委員会を臨時開催し、全職員向け研修を実施する方針を示していました。第3報では、個人情報保護とSNSの取り扱いに関するeラーニング研修を全職員対象に実施中とし、患者の権利と医療倫理に関する研修を早急に実施する予定だと説明しています。
患者の人数や動画に含まれた個別の情報項目、第三者による保存・再投稿の範囲については、第3報でも具体的な内訳は示されていません。
医療機関の情報管理では私的な撮影・SNS共有も対象に
本件は電子カルテへの不正アクセスなどによる事案ではなく、職員による院内動画の撮影とSNS共有を通じて患者情報が外部に出た事例です。院内での撮影許可、私物スマートフォンの使用範囲、患者情報が映り込む動画の取り扱い、限定公開やグループ共有の禁止事項を、医療従事者向けの研修と現場の運用ルールで確認する必要があります。
同じ徳洲会グループの武蔵野徳洲会病院では、職員によるSNS投稿動画に患者48名の氏名が含まれた事案が公表されています。また、佐田病院では、看護師が患者のカルテ画像をSNSの限定公開機能で投稿した事案が発生しました。いずれも今回とは別の事案です。
医療機関では、情報システム上のアクセス管理に加え、撮影の可否を判断する責任者、SNSへ投稿された際の通報先、削除依頼後の再拡散確認、患者への連絡を担う部門を明確にしておくことが対策の一つとなります。






