栃木県足利市と、同市に斎場予約システムを提供する株式会社ビジネステックは2026年10月18日、第三者による不正アクセスが確認されたと公表しました。漏えいしたおそれがあるのは、2022年12月1日以降の斎場利用に関する情報約8,800件と、システムに登録された葬祭事業者56社の情報です。
ビジネステックの調査では、データベースへの不正な照会に加え、システムのお知らせ欄に不正なデータが追加されていたことが確認されています。実際にどの情報が外部へ流出したかは調査中です。足利市は予約システムを停止し、電話による予約受付に切り替えています。
足利市斎場予約システムへの不正アクセスのサマリー
- 公表日:2026年10月18日(足利市、ビジネステック)
- 判明日時:2026年10月15日17時頃、委託先の調査で不正アクセスが判明
- 対象:足利市が運用し、ビジネステックが提供する斎場予約システム
- 確認された行為:データベースへの不正な照会、お知らせ欄への不正なデータ追加
- 漏えいのおそれがある情報:斎場利用関連約8,800件、登録葬祭事業者56社分
- 対応:システムを全面停止し、電話予約で代替運用。影響範囲を調査中
- 通知・報告:対象者・事業者に順次個別通知する方針。市は個人情報保護委員会等への報告手続きを進行
| 項目 | 公表内容 |
|---|---|
| 運用主体 | 栃木県足利市 |
| 提供・調査担当 | 株式会社ビジネステック |
| 斎場利用に関する情報 | 約8,800件(2022年12月1日以降) |
| 登録葬祭事業者 | 56社 |
| 漏えいの状況 | 外部漏えいのおそれ。実際の流出範囲は調査中 |
| 予約受付 | システム停止中。電話予約で対応 |
データベースへの不正照会とお知らせ欄へのデータ追加を確認
ビジネステックによると、2026年10月15日、足利市に提供している斎場予約システムへの外部からの不正アクセスを確認しました。その後の調査で、データベースに対する不正な照会と、システムのお知らせ欄への不正なデータ追加が判明しました。
不正照会は保存された情報が参照された可能性を示す一方、データが実際に外部へ持ち出されたこととは区別する必要があります。また、お知らせ欄へのデータ追加が確認されたことから、情報の閲覧だけでなく、システム内の情報が不正に変更された事象も発生しています。
運営会社は、アクセス記録の調査とシステムの安全性確認を継続しています。侵入に使用された具体的な手法や、不正アクセスの開始時期については公表されていません。
漏えいのおそれがある情報は約8,800件、葬祭事業者56社
足利市は、システム内に保存されている情報のうち、外部に漏えいした可能性がある対象を次のとおり説明しています。
| 対象 | 件数・範囲 | 情報項目 |
|---|---|---|
| 斎場利用に関する情報 | 約8,800件。2022年12月1日以降に利用された情報 | 死亡者の氏名・生年月日・住所・性別、申請者の氏名・住所・電話番号 |
| 登録葬祭事業者の情報 | 56社 | 会社名・住所・電話番号・メールアドレス |
ビジネステックの発表では影響規模を「約8,800人分」と表現していますが、足利市は「斎場利用者の情報(約8,800件)」としています。8,800件を、そのまま8,800人の個人情報が流出した確定人数として扱うことはできません。また、葬祭事業者56社の情報も、約8,800件に合算して一つの漏えい件数とはしていません。
システムを停止し、斎場予約は電話受付に切り替え
不正アクセスの判明後、ビジネステックは対象システムを全面停止しました。足利市は斎場業務を継続するため、予約受付を電話による代替運用に切り替えています。登録葬祭事業者には、システム停止と代替運用への移行をメール等で一斉に通知しました。
再開について、ビジネステックは安全性を十分に確認したうえで案内する方針です。足利市は委託先と連携して原因と影響範囲を調査し、個人情報保護委員会等への必要な報告手続きを進めています。漏えいのおそれがある個人および事業者に対しては、委託先から順次個別に通知する予定です。
足利市は、市役所や関係機関、委託先を装ったメールや電話に注意するよう呼びかけています。不審なメールに記載されたURLや添付ファイルを開かず、電話の相手を確認できない場合は応答を控えるか通話を終了するよう案内しています。
情報システム部門が確認したいポイント
本件では、情報を参照する不正照会と、お知らせ欄にデータを追加する操作の両方が確認されています。委託先が運用する業務システムで同様の事象が発生した際は、情報の外部持ち出しの有無に加え、画面表示や登録データに不正な変更が残っていないかも確認対象となります。
また、足利市は予約システムの停止中も電話による受付を継続しています。外部委託システムを利用する組織では、障害や侵害が生じた場合の停止判断、代替受付、関係事業者への連絡、再開に必要な安全確認を、運用手順として整理しておくことが対応上の論点です。




