H3ロケット10号機が打ち上げ成功、MMXを火星へ-ウクライナ侵攻が示した「衛星を使える国」の安全保障

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H3ロケット10号機が打ち上げ成功、MMXを火星へ-ウクライナ侵攻が示した「衛星を使える国」の安全保障

2026年10月20日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、火星衛星探査機「MMX」を搭載したH3ロケット10号機の打ち上げに成功しました。科学探査を目的とする今回のミッションは、直接的な軍事作戦ではありません。しかし、日本が自国のロケットで宇宙空間へ機器を送り出す能力を維持することは、通信、情報収集、測位といった安全保障上の基盤とも結びついています。

その意味を浮き彫りにしたのが、ロシアによるウクライナ侵攻です。開戦直前には衛星通信ネットワークへのサイバー攻撃が発生し、戦争が始まると民間の衛星通信網「Starlink(スターリンク)」が通信の維持を支えました。現代の紛争では、人工衛星そのものだけでなく、地上の管制設備、通信端末、運用事業者、電波環境までが安全保障の対象となっています。

H3ロケット10号機と日本の宇宙安全保障のサマリー

  • JAXAは10月20日4時41分03秒(日本時間)、種子島宇宙センターからH3ロケット10号機を打ち上げ、約1時間11分13秒後にMMXの正常分離と予定軌道への投入を確認しました。
  • MMXは火星の衛星フォボスを主な探査対象とし、表面の試料を採取して2031年に地球へ帰還することを目指す科学探査計画です。10月20日時点で試料採取や帰還が成功したわけではありません。
  • MMXは偵察衛星や防衛通信衛星ではありません。今回の打ち上げと防衛力強化の関係は、宇宙への自立的なアクセス、技術・産業基盤、将来の宇宙利用の継続性にあります。
  • 2022年2月24日、Viasatの衛星通信ネットワーク「KA-SAT」に対するサイバー攻撃で、ウクライナと欧州の多数の通信端末が利用できなくなりました。EUは攻撃をロシアによるものとしています。
  • 侵攻後のウクライナでは、地上通信設備が攻撃を受けるなか、民間の低軌道衛星通信網Starlinkが部隊間通信を支えたと防衛省は分析しています。
  • 衛星の軍事的な役割は通信だけでなく、偵察・監視、測位・時刻同期、ミサイルの早期警戒、宇宙領域把握など多岐にわたります。
  • 防衛省は2025年7月に「宇宙領域防衛指針」を策定し、戦況把握、衛星通信、機能保証、相手方の指揮統制・情報通信等への対処を柱に防衛能力を強化する方針を示しています。
項目 確認された内容
打ち上げ日時 2026年10月20日 4時41分03秒(日本時間)
打ち上げ場所 種子島宇宙センター
打ち上げ機 H3ロケット10号機
搭載機 火星衛星探査機MMX(Martian Moons eXploration)
JAXAが確認した成果 MMXの正常分離と予定軌道への投入
MMXの今後の目標 火星衛星フォボスの観測・試料採取、2031年の地球帰還
安全保障上の論点 国産打ち上げ能力、衛星による情報・通信・測位、妨害やサイバー攻撃に耐える運用

H3ロケット10号機は何を達成したのか

JAXAの10月20日付発表によると、H3ロケット10号機は計画どおりに飛行し、打ち上げから約1時間11分13秒後にMMXを正常に分離しました。打ち上げが成功したという事実と、これから数年間続く探査ミッション全体の成否は分けて考える必要があります。

MMXは、火星の周囲を回る二つの衛星「フォボス」と「ダイモス」を調べ、とくにフォボスの表面物質を地球へ持ち帰ることを目指しています。JAXAはフォボスから10グラム以上の試料を回収する計画を掲げ、2031年の帰還を目標としています。火星衛星の起源や太陽系の形成過程を解明する科学的意義が中心であり、軍事衛星の配備ではありません。

一方、打ち上げを担当するH3は、日本の基幹ロケットです。JAXAのH3ロケット10号機プレスキットは、その目的の一つを「宇宙への自立的なアクセスの確保」と位置付けています。日本の政府機関や企業が衛星を保有していても、必要な時期に打ち上げる手段が失われれば、衛星の更新、代替機の投入、新たなミッションの実施は難しくなります。

H3は2023年の試験機1号機で打ち上げ失敗を経験し、2025年12月の8号機でも「みちびき5号機」を予定軌道へ投入できませんでした。その後、2026年6月の6号機、8月の9号機、今回の10号機が成功しています。ただし、3機の連続成功だけで将来の打ち上げ信頼性が保証されるわけではありません。安全保障上も、打ち上げの成功率、実施頻度、生産能力、射場の可用性を継続的に確保できるかが課題になります。

なぜ人工衛星が国防を左右するのか

人工衛星は、地上の軍事力を直接置き換えるものではありません。部隊や艦艇、航空機が活動するために必要な情報と通信を、地理的な制約を越えて届ける役割を担います。

防衛省の「令和8年版防衛白書」は、衛星通信、測位、情報収集などの宇宙利用を統合作戦に不可欠な基盤と説明しています。陸上・海上・航空の部隊を連携させるには、離れた地点から情報を集め、安全に共有し、位置と時刻を合わせる必要があるためです。

衛星・宇宙システムの種類 主な役割 安全保障上の利用例 機能が失われた場合の問題
光学・レーダー観測衛星 地表・海洋の撮像、変化の把握 艦船、航空基地、地上設備、災害状況などの監視 状況把握の遅延、監視可能な時間帯の減少
通信衛星 地上拠点間の通信中継 遠隔地や海上の部隊通信、災害時の通信 指揮命令・データ共有の断絶や遅延
測位衛星・GNSS 位置、航法、時刻の提供 航法、地理情報、装備・ネットワークの時刻同期 位置精度低下、誤った時刻情報、システム連携への影響
早期警戒衛星 ミサイル発射などの兆候把握 発射情報の早期把握と警戒 警戒判断に使える情報の減少
宇宙領域把握(SDA)システム 人工衛星や宇宙物体の状況把握 不審な接近、軌道上のリスクの監視 衛星の安全運用や状況認識の低下

これらはすべて同じ軌道や方式で運用されているわけではありません。静止軌道の衛星は広い地域を継続的に見渡しやすい一方、低軌道衛星を多数組み合わせるコンステレーションは、通信容量や観測頻度、障害時の分散性を高められる場合があります。ただし、衛星数が多ければ無条件に安全になるわけではなく、地上局や認証基盤などに共通の障害点が残ることもあります。

ウクライナ侵攻の直前、衛星通信網に障害

衛星の安全保障を考えるうえで、2022年2月24日のKA-SATへの攻撃は象徴的な事例です。

米Viasatによると、同日、同社が保有する衛星通信ネットワークKA-SATで大規模な障害が起き、ウクライナの数千の利用者と、欧州の多数の固定通信利用者に影響しました。EU理事会は同年5月、ロシアによるサイバー攻撃だったとする声明を発表しています。EUは、攻撃がロシアによる侵攻開始のおよそ1時間前に発生し、ウクライナの当局、企業、利用者の通信を妨げたと説明しました。

ここで重要なのは、衛星そのものが乗っ取られたり破壊されたりしたと確認された事案ではないことです。

Viasatの調査では、攻撃者は地上ネットワークの管理領域へ不正にアクセスし、多数の顧客向けモデムに破壊的な管理コマンドを実行させていました。結果として、モデム内の重要データが上書きされ、ネットワークへの接続が困難になりました。同社は、KA-SAT衛星本体が侵害された証拠はないと説明しています。

つまり、衛星が軌道上で機能していても、地上の管理設備や通信端末が使用不能になれば、サービスは止まります。衛星通信を守る対象には、宇宙機だけでなく、管制ネットワーク、運用事業者のシステム、顧客側機器まで含まれるのです。

影響はウクライナ国内に限りませんでした。ドイツの風力発電設備約5,800基では衛星通信の障害に伴って遠隔監視・遠隔制御ができなくなったと報じられています。これは約5,800基の風車すべてが発電停止したという意味ではありませんが、国境を越えた通信依存が産業設備の運用に影響することを示しました。

Starlinkはなぜウクライナの通信維持に役立ったのか

KA-SATへの攻撃が衛星通信の脆弱さを示した一方、ウクライナ侵攻は、分散した衛星通信網の価値も明らかにしました。

防衛省の令和8年版防衛白書は、地上の基地通信局や電波塔が攻撃で破壊されるなか、ウクライナ軍が米民間企業の衛星コンステレーション「Starlink」を活用して通信体制を維持できたとみられる、と分析しています。前線と後方の情報共有を支えた衛星通信は、ウクライナの継戦能力を下支えする一因となりました。

多数の低軌道衛星を使うStarlinkは、個々の通信経路や端末を分散しやすく、固定通信インフラが失われた状況でも通信手段を提供できます。もっとも、利用可能な範囲、端末の電源、地上側の接続先、妨害電波、事業者の運用判断に左右されます。「Starlinkがある限り通信は途絶えない」という理解は正確ではありません。

また、ウクライナの事例からは、民間サービスの利用と国家としての運用統制を分けて考える必要があります。商用衛星通信の活用には導入の速さや柔軟性がある半面、契約条件、使用可能地域、サービス変更、優先接続、供給事業者への依存が生じます。安全保障用途で使う場合は、単なる回線契約ではなく、継続利用の条件と代替手段を含めて設計することが必要です。

実際、2026年10月にはウクライナ軍が利用する衛星通信サービス「Starshield」の移動時の通信制限が問題となり、復旧状況や残る制約が報じられました。セキュリティ対策Labは10月15日の通信制限と10月19日の続報を掲載しています。こうした事例は、通信網が存在することと、現場が必要な条件で使えることが同義ではないと示しています。

もう一つの戦場は「観測データ」と「正しい位置・時刻」

ウクライナでの衛星利用は、通信だけではありません。防衛省は、同国が「デルタ」と呼ばれる状況監視システムなどを通じ、前線部隊、無人装備、衛星などから得られる情報を連携させ、意思決定に利用していると説明しています。

ここで衛星に期待されるのは、地上から見えない範囲の状況を把握し、その情報を地上の部隊に利用可能な形で届けることです。単に高性能な撮像衛星を保有するだけでは十分ではありません。撮像までの時間、画像を取得できる頻度、処理・分析、機密情報の管理、必要な担当者へ届くまでの時間が利用価値を左右します。

測位衛星についても事情は同じです。GPSなどのGNSSは、位置だけでなく正確な時刻の供給にも利用されています。これに対する妨害には、受信を困難にする「ジャミング」と、誤った位置・時刻を信じ込ませる「スプーフィング」があります。欧州航空安全機関(EASA)は、紛争地域周辺でこれらの干渉が増えており、航空分野の安全性にも影響し得るとして対策を促しています。

衛星の情報が届かなくなるリスクと、届いた情報が偽物であるリスクは異なります。後者では、通信回線が正常であっても、位置や時刻に依存するシステムが誤作動する可能性があります。このため、衛星データの利用側でも真正性の検証、異常検知、別方式との照合を考える必要があります。

衛星システムに対する攻撃は、宇宙空間に限らない

防衛省が宇宙領域の抗たん性(攻撃や障害を受けても機能を維持・回復する能力)を重視する理由は、妨害される箇所が多いためです。

攻撃・障害の対象 想定される脅威 守るべきポイント
軌道上の衛星 物理的な攻撃、不審な接近、自然・宇宙環境による故障 状況監視、機能分散、代替手段
衛星と地上の無線区間 電波妨害、偽信号、通信品質の低下 耐妨害性、信号検証、複数通信経路
地上の管制・運用システム 不正アクセス、認証情報悪用、運用妨害 強固な認証、権限分離、監視、復旧手順
利用者の衛星通信端末 不正な設定変更、端末への攻撃、物理的な損壊 機器管理、更新、代替端末、在庫・保守
事業者・サプライチェーン 供給停止、地上インフラ障害、運用上の制約 契約・委託先管理、複数事業者、代替調達
打ち上げ・補充体制 ロケット・射場の不具合、生産能力や部品の不足 打ち上げ手段の確保、生産継続、予備機・補充計画

従来のサイバーセキュリティでは、外部公開されたサーバーや社内ネットワークが主な保護対象として意識されてきました。しかし宇宙システムでは、衛星の運用指令を送る地上システム、衛星の運行状態を監視する設備、通信の中継先、利用者端末を一体として管理する必要があります。

米国立標準技術研究所(NIST)は、衛星の指揮・制御を担う地上セグメント向けに「NIST IR 8401」を公表し、サイバーリスクを体系的に評価するための考え方を示しています。これは衛星本体の安全対策だけを論じるのではなく、地上設備が衛星運用の信頼性を左右するとの認識に基づいています。

日本の防衛政策は宇宙をどう位置付けているのか

日本政府は、宇宙の安全保障利用を構想だけでなく、実際の防衛体制と結びつけています。

防衛省は2025年7月に「宇宙領域防衛指針」を策定しました。令和8年版防衛白書では、能力強化に向けた考え方を、①迅速かつ的確な戦況把握、②作戦の基盤となる衛星通信の確保、③機能保証(Mission Assurance)、④相手方の指揮統制・情報通信等の妨げ、という四つのアプローチに整理しています。

このうち③の機能保証は、衛星を保有するだけでなく、妨害や障害が起きても必要な任務を続けられるようにする発想です。宇宙領域把握、衛星の防護、複数のシステムを組み合わせた抗たん性の確保、損失後の回復を含む運用構想として理解できます。

すでにH3ロケットには防衛用途での打ち上げ実績があります。2024年11月4日、H3ロケット4号機はXバンド防衛通信衛星「きらめき3号」を打ち上げました。防衛省は同衛星を、自衛隊の指揮統制に関わる基幹通信に活用する方針を示しています。今回のMMXと異なり、こちらは防衛通信を目的とした衛星です。

また、防衛省は宇宙領域把握(SDA)や衛星コンステレーションの活用、民間企業・JAXA・同盟国との協力を進めています。宇宙へのアクセスを独自に持ちながら、すべてを国内だけで完結させるのではなく、必要に応じて民間技術や同盟国の能力を組み合わせる方向です。

衛星を喪失した場合の代替機投入という観点では、防衛省による即応打ち上げの検討と課題も関連します。大型基幹ロケットH3による計画的な打ち上げと、衛星喪失後の短期間での補充は目的・要件が異なるため、混同しないことが必要です。

H3の打ち上げ成功は、日本の国防をどこまで強くするのか

H3ロケット10号機の成功を受けて「日本の国防能力が直ちに増強された」と評価するのは正確ではありません。MMXは軍事衛星ではなく、今回の打ち上げで自衛隊の通信容量や監視能力が新たに増加したわけではないためです。

ただし、国産ロケットの運用経験が増えることには、より長期的な安全保障上の意味があります。

第一に、政府や国内企業が打ち上げ先を自国で確保できることです。国際的な打ち上げ市場が混雑したり、地政学的な事情で海外の打ち上げ手段を利用しにくくなったりした場合、自国の手段を持つことは選択肢を増やします。

第二に、衛星が故障または喪失した後の再構築です。宇宙システムの復旧には地上設備の修理だけでなく、代替衛星の製造や打ち上げが必要になることがあります。迅速に衛星を補充できる体制は、長期的な抗たん性の一部です。ただし、H3の打ち上げ成功がそのまま「緊急時に短期間で再打ち上げられる能力」を実証したことにはなりません。衛星の生産期間、射場・ロケットの準備、軌道条件など、別の要件も満たす必要があります。

第三に、技術と産業基盤を国内に維持できることです。大型ロケットはエンジン、制御機器、構造材、ソフトウェア、製造・試験・運用設備など、多様な技術と企業に支えられています。継続的な打ち上げ実績と商業需要は、技術者、製造設備、部品供給を維持する前提になります。

防衛力は衛星の数だけで測れません。通信・情報・測位を使えること、妨害を受けても活動を続けられること、失った能力を回復できること、そのための技術を国内で維持できることが組み合わさって初めて機能します。

民間企業にとっても衛星は「遠い宇宙の話」ではない

衛星の安全保障を軍事分野に限定すると、企業のリスクを見落とします。位置・時刻情報、衛星通信、気象・地球観測は、通信、物流、エネルギー、航空、海運、金融、災害対応など幅広い事業活動を支えています。

例えば、拠点の通信障害時に衛星回線を代替通信として利用する企業であれば、その衛星回線もサイバー攻撃や通信妨害、端末故障の影響を受け得ます。事業継続計画(BCP)で「衛星回線へ切り替える」と書いてあるだけでは、通信端末の電源、使用可能な場所、接続権限、通信容量、利用制限まで確認したことにはなりません。

また、GPSなどから得る時刻を利用するシステムでは、衛星電波の干渉を単なる通信障害と同一視できません。誤った時刻や位置を受け入れた場合、記録の整合性や制御系の判断に影響する可能性があります。企業ごとに依存関係が異なるため、想定する影響は業務・システム単位で特定する必要があります。

情報システム部門が確認しておきたい項目

確認領域 具体的に確認すること
衛星サービスへの依存 自社の回線、装置、運行管理、時刻同期、災害用通信のうち何が衛星サービスに依存しているか
障害の影響範囲 衛星回線、基地局、利用者端末、管理サービスのどこが停止すると業務に影響するか
通信の代替性 有線回線、携帯網、別事業者の衛星通信などへ切り替えられるか。共通障害点はないか
地上設備のセキュリティ 衛星通信端末・ゲートウェイの認証、設定変更権限、ファームウェア更新、ログ監視が管理されているか
測位・時刻の信頼性 GNSS異常時の検知方法、時刻の照合元、別方式への切り替え、運用停止条件が決まっているか
委託先と契約 障害連絡、提供地域、利用制限、復旧支援、機器交換、契約終了時の移行手段を確認できるか
訓練・復旧 衛星通信を使えない場合と、衛星通信しか使えない場合の両方で机上訓練・切替試験を実施しているか

米CISAとFBIも、衛星通信サービスの提供者と利用者に向けた共同注意喚起「AA22-076A」で、安全な認証、最小権限、信頼関係の見直し、暗号化、パッチ管理、ログ監視、事業継続計画などを推奨しました。衛星通信の利用者であっても、事業者任せにせず自社側の管理境界を把握する必要があります。

ウクライナの教訓は「衛星を持つこと」より「使い続けること」

ウクライナ侵攻で示されたのは、衛星システムには二つの面があるということです。地上インフラが破壊された際には、衛星通信が別の経路を提供できます。しかし、衛星通信の管理システムや端末が攻撃されれば、その代替経路自体が失われる可能性もあります。

2026年10月20日のH3ロケット10号機の成功は、こうした環境で日本が自国の宇宙輸送能力を維持するうえで意味を持ちます。ただし、ロケットの打ち上げ成功と、軍事・民生の衛星システムを妨害下でも継続運用できる能力は別の課題です。

日本の宇宙安全保障を評価する際は、打ち上げ実績に加えて、衛星の配備・補充、地上システムのサイバー防御、電波妨害対策、民間事業者との契約、代替通信、復旧の実効性まで見る必要があります。

出典