インパクトフィールド、cabic株式会社の「cabic.jp」を第三者が取得 旧公式サイトを再現したようなサイト公開、個人情報入力に注意

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インパクトフィールド、cabic株式会社の「cabic.jp」を第三者が取得 旧公式サイトを再現したようなサイト公開、個人情報入力に注意

インパクトフィールド株式会社は2026年9月1日、旧cabic株式会社が使用していたドメイン「cabic.jp」について、現在は第三者が保有しており、旧cabic株式会社の社名、会社情報、サービス内容、画像などを使って、旧公式サイトを再現したようなウェブサイトが公開されていると注意喚起しました。

インパクトフィールドは2025年2月1日付でcabic株式会社を吸収合併し、同社の事業を承継しています。これに伴い、cabic株式会社は解散し、「cabic.jp」による公式な情報発信も終了していました。

しかし、2026年8月22日、第三者が現在保有する旧ドメイン上で、旧cabic株式会社の社名、ロゴ、会社情報、サービス内容、旧サイトの画像・文章などを表示したサイトが確認されました。さらに、氏名、電話番号、メールアドレスなどを入力する問い合わせフォームや、採用情報、登録スタッフ向け情報も掲載されています。

インパクトフィールドは、このサイトを同社または同社グループが運営・管理するものではないと明記し、問い合わせフォームへの個人情報入力、掲載された連絡先への連絡、ファイルのダウンロード、サイトから届いたメールへの返信などを行わないよう呼びかけています。

今回の事案は、旧ドメインが第三者に再取得された後も、過去の会社名、ブランド、検索結果、リンク、ブックマークなどに残る「信用」が利用者を誤認させるリスクを示しています。

旧cabic.jp問題のサマリー

  • インパクトフィールドは2026年9月1日、旧cabic株式会社のドメイン「cabic.jp」について注意喚起しました。
  • cabic株式会社は2025年2月1日、インパクトフィールドに吸収合併され、解散しています。
  • 吸収合併後、「cabic.jp」による旧cabic株式会社の公式な情報発信は終了していました。
  • インパクトフィールドは2026年8月22日、第三者が現在保有する「cabic.jp」に旧公式サイトを再現したようなサイトが公開されていることを確認しました。
  • 当該サイトには旧cabic株式会社の社名、ロゴ、会社情報、サービス内容、旧サイトの画像・文章などが表示されています。
  • 氏名、電話番号、メールアドレス等を入力する問い合わせフォームも設置されています。
  • 採用情報や登録スタッフ向け情報も掲載されています。
  • インパクトフィールドは当該サイトと一切関係がないとしています。
  • 入力情報の送信先や、その後の取扱いはインパクトフィールド側では確認できません。
  • 同社は問い合わせフォームへの個人情報入力、サイト記載の電話番号・メールアドレスへの連絡、ファイルのダウンロードなどを避けるよう求めています。
  • ブックマーク、社内資料、ブログ、SNS、取引先向け資料などに残る「cabic.jp」へのリンクも削除するよう案内しています。
  • すでに情報を入力した場合は、アクセス日時、URL、入力内容、画面画像、メールや電話の記録を保存して同社へ連絡するよう求めています。
  • パスワード、クレジットカード情報、金融機関情報を入力した場合は、関係サービスやカード会社、金融機関への速やかな相談も案内しています。
  • インパクトフィールドは警察へ相談し、関係機関への相談・情報提供、証拠保全、旧ドメインの管理・運用関係者への事実確認を進めています。
  • 旧ドメインが第三者に取得されたこと自体を、不正アクセスや情報漏えいと表現することはできません。
項目 内容
公表日 2026年9月1日
公表組織 インパクトフィールド株式会社
対象ドメイン cabic.jp
確認日 2026年8月22日
旧運営会社 cabic株式会社
cabicの吸収合併日 2025年2月1日
現在のドメイン保有 第三者
確認された表示 旧社名、ロゴ、会社情報、サービス内容、旧サイトの画像・文章、問い合わせフォーム、採用情報等
個人情報入力フォーム あり
インパクトフィールドとの関係 一切関係なし
入力情報の送信先 インパクトフィールドでは確認できず
不正アクセス 今回のリリースでは確認されていません
情報漏えい 今回のリリースでは確認されていません
対応 警察相談、関係機関への情報提供、証拠保全、関係事業者への確認

cabic株式会社は2025年2月にインパクトフィールドへ吸収合併

cabic株式会社は、試食・試飲販売、推奨販売、デモンストレーション販売、催事・イベント運営など、セールスプロモーションに特化した人材サービスを提供していた会社です。

インパクトフィールドは2025年1月27日、同年2月1日付でcabicを吸収合併すると発表しました。

吸収合併はインパクトフィールドを存続会社とする方式で、cabic株式会社は解散しました。

インパクトフィールドによると、合併後はcabicの事業をインパクトフィールドが承継しています。

一方、旧cabic株式会社が使用していた「cabic.jp」での公式情報発信は終了しました。

今回の問題は、この「公式利用を終了した旧ドメイン」が第三者の管理下に移った後に発生しています。

旧cabicの会社情報やロゴを使ったサイトを確認

インパクトフィールドが2026年8月22日に確認したサイトでは、旧cabic株式会社を想起させる複数の表示が確認されています。

同社が公表した主な内容は、

  • 旧cabic株式会社の社名
  • 旧cabic株式会社のロゴ
  • 会社情報
  • サービス内容
  • 旧ウェブサイトの画像
  • 旧ウェブサイトの文章
  • 氏名、電話番号、メールアドレス等を入力する問い合わせフォーム
  • 採用情報
  • 登録スタッフ向け情報

です。

これらの表示により、過去のcabic利用者や登録スタッフ、取引先などが、現在も公式サイトであると誤認する可能性があります。

特に問い合わせフォームが設置されている点は注意が必要です。

インパクトフィールドは現在の「cabic.jp」を管理していないため、入力された氏名、住所、電話番号、メールアドレス等がどこへ送信され、どのように扱われるのか確認できないとしています。

個人情報を入力しないよう注意喚起

インパクトフィールドは、現在の「cabic.jp」に対して次の行為を行わないよう求めています。

  • 問い合わせフォームへ個人情報を入力・送信する
  • サイトに記載された電話番号やメールアドレスへ連絡する
  • サイトからダウンロードしたファイルを開く
  • サイトから送信されたメールへ返信する
  • 現在の「cabic.jp」を公式サイトとして第三者へ案内する

さらに、ブラウザーのブックマーク、社内資料、ブログ、SNS、取引先向け資料などに「cabic.jp」へのリンクが残っている場合は削除するよう案内しています。

これは、旧ドメイン問題で重要なポイントです。

企業側がドメイン利用を終了しても、過去に配布した資料、検索結果、SNS投稿、取引先サイト、メール、QRコードなどにURLが残り続けるためです。

すでに情報を入力した場合は証拠を保存

インパクトフィールドは、現在の「cabic.jp」へ情報を入力してしまった人に対し、可能な範囲で証拠を保存したうえで、同社の公式窓口へ連絡するよう求めています。

保存を推奨している情報は、

  • サイトへアクセスした日時
  • 入力・送信したページのURL
  • 入力・送信した情報
  • 送信完了画面や受信メールのスクリーンショット
  • サイトや運営者から届いたメール
  • 電話などの連絡記録

です。

また、パスワード、クレジットカード情報、金融機関情報などを入力した場合は、関係するサービス提供事業者、カード会社、金融機関へ速やかに相談するよう案内しています。

不審な連絡や金銭的な被害が発生している場合は、警察のサイバー犯罪相談窓口や消費生活センターへの相談も呼びかけています。

インパクトフィールドは警察へ相談、証拠保全を実施

インパクトフィールドは本件について警察へ相談しています。

さらに、

  • 関係機関への相談・情報提供
  • 当該サイトに関する証拠保全
  • 旧ドメインの管理・運用に関係する事業者への事実確認

を進めています。

現時点の公表では、現在のサイト運営者の身元、ドメインを取得した目的、問い合わせフォームで収集した情報の利用目的などは確認されていません。

したがって、「フィッシングサイト」「個人情報窃取を目的としたサイト」と断定することはできません。

一方、旧公式サイトと誤認し得る表示と個人情報入力フォームが存在するため、利用者側は情報を入力せず、現在の公式サイトを確認する必要があります。

ドロップキャッチとは

今回のような旧ドメイン問題を理解するうえで、知っておきたい言葉が「ドロップキャッチ」です。

ドメインは、契約期間が終了して更新されなかったからといって、その瞬間に第三者が取得できるわけではありません。

ドメインの種類や登録事業者によって違いはありますが、期限切れ後には一定の猶予期間や登録回復期間などが設けられ、その後、再び一般登録できる状態になります。

この「再登録可能になるタイミング」を狙って、目的の期限切れドメインを取得することを一般にドロップキャッチと呼びます。

セキュリティ対策Labでは、旧ドメイン管理の仕組みとリスクを「ドメインは電話番号と同じ、使い終わった後も顧客はそこへアクセスし続ける」で詳しく解説しています。

旧ドメインは、企業側が使わなくなった後も「過去の電話番号」のように利用者側へ残り続けます。

過去のパンフレット、広告、名刺、メール、SNS投稿、検索結果、ブックマーク、QRコード、外部サイトからのリンクなどは、企業が公式サイトを閉鎖しただけでは消えません。

そのため、第三者が同じドメインを取得すると、過去の利用者が意図せず新しい運営者のサイトへアクセスすることがあります。

ドメインキャッチの目的は必ずしも不正ではない

期限切れドメインの再取得そのものは、直ちに不正行為というわけではありません。

再登録可能になったドメインは、一般の利用者や企業が通常の手続きで取得できるためです。

ドロップキャッチや中古ドメイン取得には、さまざまな目的があります。

例えば、

  • 希少性の高いドメイン名を確保する
  • 新しい事業やサービスで利用する
  • 過去の被リンクや検索評価をSEOに利用する
  • 広告やアフィリエイトサイトへ転用する
  • ドメイン自体を再販売する
  • 過去のブランド認知やアクセス流入を利用する

といった用途があります。

一方、悪用される場合には、

  • 偽サイトへの誘導
  • フィッシング
  • 広告サイトへのリダイレクト
  • オンラインカジノ等への誘導
  • 過去のブランドを装った情報収集
  • マルウェア配布サイトへの転用

などにつながる可能性があります。

重要なのは、「期限切れドメインを取得したこと」と「その後の利用方法」を分けて考えることです。

第三者によるドメイン再取得自体が直ちに違法とは限りませんが、旧企業の著作物、商標、ロゴなどを無断利用した場合は、別途、著作権や商標権などの問題が生じる可能性があります。

今回インパクトフィールドは、現在の「cabic.jp」で旧cabic株式会社の社名、ロゴ、会社情報、画像、文章などが使用されていると説明しています。

なぜ失効ドメインは狙われるのか

完全な新規ドメインと比べ、過去に企業や公的機関が利用していたドメインには「過去の信用」が残っていることがあります。

代表的なのは被リンクです。

企業、自治体、メディア、取引先などのWebサイトから旧ドメインへのリンクが残っていれば、第三者が再取得した後もアクセスが流入する可能性があります。

さらに、

  • 検索エンジンの検索結果
  • 過去記事
  • SNS投稿
  • ブックマーク
  • 印刷済みのチラシやパンフレット
  • QRコード
  • メール本文
  • 社内マニュアル
  • 採用資料

など、企業側で一括して削除できない導線が残ります。

今回のcabicは人材サービスを提供していたため、過去の登録スタッフ、応募者、取引先などが古いURLを保有している可能性があります。

現在の「cabic.jp」に採用情報や登録スタッフ向け情報が表示されていることは、こうした過去利用者にとって特に紛らわしい状態といえます。

セキュリティ対策Labで確認した旧ドメインの類似事例

旧ドメインが第三者へ再登録された問題は、今回が初めてではありません。

セキュリティ対策Labでも複数の事例を扱っています。

ロート製薬の旧DRXブランドサイト

2026年3月、ロート製薬は旧DRXブランドサイトで使用していたドメインが第三者に取得され、不正なサイトへ転送される事象を公表しました。

旧URLが記載された製品パンフレットも残っており、利用者が紙媒体から旧URLへアクセスする可能性が問題となりました。

ロート製薬の旧DRXサイトURLが不正サイトへ転送 旧ドメイン管理の盲点が顕在化

名古屋市の廃止済み特設サイト

2026年3月、名古屋市は過去に使用していた複数のドメインが第三者に再取得されていると公表しました。

対象は価格転嫁支援、外国人材支援、プレミアム商品券、児童館など複数部局にまたがっており、旧ドメイン管理が特定部署だけの問題ではないことが明らかになりました。

名古屋市、廃止済みドメインの第三者取得を公表 旧特設サイトや児童館サイトが市と無関係な状態に

小僧寿しの旧採用サイト

2025年11月には、小僧寿しの採用サイトで使われていた旧ドメインが第三者に取得され、一部スマートフォンからアクセスすると無関係な外部サイトへ遷移する事象が確認されました。

小僧寿しの採用サイト、第三者が旧ドメインを取得しアダルトサイトへ誘導か

BLUE REFLECTION SUN/燦の旧公式ドメイン

2025年7月には、ゲーム「BLUE REFLECTION SUN/燦」の旧公式ドメインが第三者に取得され、オンラインカジノ紹介サイトへ誘導される事案が確認されています。

BLUE REFLECTION SUN/燦の旧公式ドメインを第三者が取得 オンラインカジノ紹介サイトに誘導

これらに共通するのは、元の企業や自治体への不正アクセスが発生したわけではなく、運用終了後のドメインが第三者へ再登録された点です。

「不正アクセス」と「旧ドメイン再取得」は別

旧企業のサイトに似たページが表示されると、「公式サイトが乗っ取られた」「企業へ不正アクセスされた」と受け取られることがあります。

しかし今回、インパクトフィールドが公表している事実は、第三者が現在保有する旧ドメイン上に旧cabic株式会社を装ったサイトが公開されているというものです。

インパクトフィールドの現在のシステムや公式Webサイトへ不正アクセスされたとの発表ではありません。

また、cabic株式会社が保有していた顧客情報や登録スタッフ情報が流出し、それを使ってサイトが作成されたとも公表されていません。

旧サイトの画像・文章等が表示されていることと、旧会社のデータベースや個人情報が流出したことは分けて考える必要があります。

旧ドメインは「サイト閉鎖日」で管理を終えない

今回の事案で、企業側が見直したいのはドメインの廃止手順です。

キャンペーンサイト、採用サイト、ブランドサイト、イベントサイト、買収・合併した会社の旧サイトなどは、役割を終えるとドメイン更新も停止しがちです。

しかし、利用を終了したドメインほど、

  • 外部サイトからのリンク
  • 古いメール
  • パンフレット
  • 名刺
  • QRコード
  • ブックマーク
  • 検索結果

が残っていないか確認する必要があります。

セキュリティ対策Labの「ドメインは電話番号と同じ、使い終わった後も顧客はそこへアクセスし続ける」でも、イベントやキャンペーン単位で取得したドメインは、事業終了後に担当部署や予算がなくなり、管理責任が曖昧になりやすい点を解説しています。

特にM&Aや吸収合併では、旧会社の法人格が消滅した後も、ドメイン名、メールアドレス、SNSアカウント、クラウドサービスなどのデジタル資産は自動的には整理されません。

情報システム部門への示唆

旧ドメイン対策では、「不要になったら更新を止める」という運用を見直す必要があります。

まず、組織が取得しているドメインを一元的に台帳管理し、

  • ドメイン名
  • 利用目的
  • 所管部署
  • 登録事業者
  • 更新期限
  • 自動更新の有無
  • DNS管理者
  • Webサーバー
  • メール利用の有無
  • 外部リンクやQRコードの有無
  • 廃止後の保持期間

を把握しておくことが重要です。

特に、M&A、会社統合、ブランド終了、採用サイト閉鎖、キャンペーン終了などの際には、ドメインを「不要資産」として即座に放棄するのではなく、利用者が旧URLへアクセスしなくなるまで一定期間保持する判断が必要です。

また、旧ドメインを手放す場合は、

  • 主要検索結果から旧URLが消えているか
  • 外部の重要サイトからリンクが残っていないか
  • 紙媒体やQRコードが流通していないか
  • メールアドレスとして利用していなかったか
  • OAuthやSaaSの認証先として登録されていないか
  • TLS証明書やAPI連携に残っていないか

も確認する必要があります。

今回のcabicのように、人材サービスや採用、登録スタッフ向けに使われていたドメインでは、過去の利用者が「昔使った正規サイト」として信頼してアクセスする可能性があります。

旧ドメイン管理はWeb担当者だけの課題ではありません。

情報システム、広報、マーケティング、人事、法務、M&A担当などが関係するデジタル資産管理の一部として扱う必要があります。

出典