2025年12月下旬、暗号資産ウォレット「Trust Wallet(トラストウォレット)」のChrome向けブラウザ拡張機能に、第三者が仕込んだ不正な更新(改ざん版)が混入したことが判明しました。
概要
サイバー攻撃者は改ざん版の拡張機能を通じて、ウォレットに関する機微情報を外部へ送信させ、最終的に複数のウォレットから暗号資産を不正送金(ドレイン)したと説明されています。
ポイントは「利用者の端末が最初に侵入された」というより、正規の配布経路(Chrome Web Store)から入る拡張機能更新が汚染された可能性が高い、という点です。企業利用の端末でも起こり得るタイプの供給網(サプライチェーン)リスクとして注意が必要です。
影響範囲の件数と想定被害額
Trust Walletの説明および複数の報道を踏まえると、今回の不正更新に関連して実際に資産流出が確認されたウォレットは約2,500~2,600件とされています。Trust Wallet側の案内では2,520件、外部報道では2,596件といった近い数値が示されています(精査の進行により今後変動する可能性があります)。
想定される被害額は、集計時点や評価方法の差はあるものの、約700万~850万米ドル相当とみられています。
為替を1ドル=155円で換算すると、約10億8,500万円~13億1,750万円規模に相当します。
あわせてTrust Walletは、補償(リインバース)を進める方針を示していますが、被害申請には虚偽や重複が混ざり得るため、ウォレット所有確認などの検証が重要になる、という趣旨の説明も行っています。
影響を受ける可能性がある利用者
影響は主に、次の条件に当てはまる場合に高いと整理されています。
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Chrome向け拡張機能の問題のあるバージョン(v2.68)を利用していた
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影響が疑われる期間中に、拡張機能を開いて操作した(ログイン等)
一方で、説明上は、モバイルアプリの利用者は今回の対象ではないとしています
原因
Trust Wallet側は、改ざん版が通常の社内リリース手順(内部のチェック)を経ずに公開された可能性を示し、現時点の見立てとしてChrome Web Storeの公開に用いられるAPIキーが悪用された疑いを挙げています。これが事実なら、攻撃者は「開発元の審査・承認プロセス」を迂回して、あたかも正規更新のように悪性コードを配布できたことになります。
トラストウォレットの対策
正常版であるv2.69への更新を強制的にアップデート。不正なデータ送信先ドメインを特定し、ドメインレジストラに通報して停止措置を実施
二次被害としてのフィッシングに注意
インシデント発生後、混乱に乗じたなりすまし・偽サポート・偽補償フォーム・フィッシングメールが発生するかに王制があります。
「補償の申請」「緊急アップデート」「資産保護の手続き」といった名目で、フレーズや秘密鍵を入力させる手口が増えます。
復元フレーズや秘密鍵を求められたら、その時点で詐欺を疑うのが安全です。
利用者が今すぐ取るべき対応
影響条件に該当する可能性がある場合、優先順位を付けて動くのが重要です。
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拡張機能を安全な状態にする(更新・再導入を含む)
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被害が疑われる場合は、資産の移動を含めて早期に封じ込める
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補償申請を行う場合でも、復元フレーズ・秘密鍵・パスワードは絶対に提出しない
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以後、サポートを名乗る連絡は「リンクを踏まず、公式の導線から自分で確認する」を徹底する








