防災・防犯情報などの一斉配信サービス「SpeeCAN RAIDEN(スピーキャン・ライデン)」を運営する株式会社アルカディアは2026年10月13日、第三者による不正アクセスに関する公式ブログを18時47分に更新し、個人情報が漏えいした可能性のある最大規模を公表しました。対象はメールアドレス約313万6,000件、電話番号約10万5,000件、FAX番号約1万5,000件と推定しています。
これらは調査段階での最大推定件数であり、実際に外部へ流出したと確認された件数ではありません。情報の種類ごとに数えた数字であるため、単純合計を漏えいした人数として扱うこともできません。同社は不正な侵入経路を特定して関連する配信環境を停止し、アクセス元IPアドレスの遮断などを実施しています。
SpeeCAN RAIDENへの不正アクセスと公表内容のサマリー
- 2026年10月11日16時30分、SpeeCAN RAIDENで不正アクセスが疑われる挙動を検知しました。
- 10月12日3時ごろ、侵入経路を塞ぐ応急措置を実施し、影響範囲の調査を開始しました。
- 10月13日11時から、SpeeCAN RAIDENの一部環境と「ライデン・スクール」の一部環境を緊急停止しました。
- 同日18時47分更新の公式ブログで、メールアドレス約313万6,000件、電話番号約10万5,000件、FAX番号約1万5,000件を漏えいの可能性がある最大推定件数として公表しました。
- 対象となる可能性があるのは、連絡先の氏名、メールアドレス、電話・FAX番号、担当者・契約者情報、配信履歴の本文です。
- アルカディアは不正なアクセス元IPアドレスを特定して遮断し、停止していないサービスについては不正なプログラムが設定されていないことを確認したと説明しています。
- 同社はクレジットカードなどの決済情報を取り扱っておらず、今回の漏えい対象ではないとしています。
| 項目 | 10月13日18時47分更新の公表内容 |
|---|---|
| 運営事業者 | 株式会社アルカディア |
| 対象サービス | SpeeCAN RAIDEN、関連配信サービス |
| 不審な挙動の検知 | 2026年10月11日16時30分 |
| 侵入経路の応急遮断 | 10月12日3時ごろ |
| 一部サービス停止 | 10月13日11時から |
| メールアドレス | 約313万6,000件(漏えい可能性の最大推定値) |
| 電話番号 | 約10万5,000件(同) |
| FAX番号 | 約1万5,000件(同) |
| 情報流出の確定状況 | 件数や範囲を継続調査中 |
メールアドレス約313万6,000件、電話番号約10万5,000件などが調査対象
今回の更新では、従来の「連絡先・担当者・契約者情報などが漏えいした可能性がある」という発表から一歩進み、項目ごとの最大推定件数が示されました。最も多いのはメールアドレスの約313万6,000件です。電話番号とFAX番号もそれぞれ約10万5,000件、約1万5,000件が対象となる可能性があります。
一方、同社はこれらを推定値とし、調査を継続しています。3種類の件数には同一利用者の複数連絡先や複数サービスへの登録が含まれる可能性があり、記載された件数を被害者の実人数とみなすことはできません。
さらに、配信履歴に保存された本文も漏えいの可能性がある情報として挙げています。配信本文の内容は利用団体ごとに異なるため、具体的にどのような情報が保存され、第三者に閲覧・取得された可能性があるかについては、契約先ごとに確認する必要があります。
不正アクセス元のIPアドレスを遮断、2つの配信環境を緊急停止
アルカディアは10月13日の調査で外部からの不正な侵入経路を特定し、被害拡大を防ぐため、同日11時から以下の2環境を停止したと説明しています。
| サービス | 緊急停止した利用環境 |
|---|---|
| SpeeCAN RAIDEN | raiden3.ktaiwork.jp |
| ライデン・スクール | s2.ktaiwork.jp |
同社はこれに加えて、不正なアクセス元IPアドレスを特定してアクセス拒否を設定しました。また、停止していないサービスについてはサーバーを点検し、不正なプログラムが設定されていないことを確認したとしています。
ただし、10月13日付の公表資料では、個人情報漏えいの可能性がある調査対象として次の6ドメインが挙げられています。
raiden.ktaiwork.jpraiden2.ktaiwork.jpraiden3.ktaiwork.jpraiden2.speecan.jps.ktaiwork.jps2.ktaiwork.jp
情報漏えいの可能性がある調査対象6環境と、実際に停止が公表された2環境は同じ範囲ではありません。また、停止していない環境で不正なプログラムが見つからなかったことは、それらの環境に保存された情報へのアクセスや流出の可能性がすべて否定されたことを意味しません。個々の情報の影響範囲は引き続き調査対象です。
横須賀市など複数自治体に影響、防災・防犯の配信停止も
SpeeCAN RAIDENは自治体などの防災・防犯情報の一斉配信に使われており、10月13日には複数の利用自治体が配信停止や個人情報漏えいの可能性を公表しました。
例えば神奈川県横須賀市は、防災情報メール、防災情報FAX、防災情報電話、よこすか防犯あんしんメールの4サービスで、登録者数の単純合計5万8,920人分に漏えいの可能性があると発表しました。市は4サービスを停止し、登録者に届いた不審メールについても注意を呼びかけています。ただし、この登録規模は同市の漏えい確定人数ではなく、不審メールと今回の不正アクセスによる情報窃取との因果関係も確定していません。
千葉県南房総市と山口県下関市も、委託先システムへの不正アクセスを受け、防災メールの停止を公表しています。こうした自治体ごとの対象登録数は、今回アルカディアが示したサービス全体の推定件数とは集計範囲が異なり、重ねて加算することはできません。
自治体別の配信停止状況、登録情報への影響、関連する公表資料については、セキュリティ対策LabのSpeeCAN RAIDEN不正アクセスによる影響自治体のまとめで整理しています。
登録者の不審メール対策と、委託元が確認すべき事項
対象サービスに登録している利用者は、防災・防犯情報の配信停止に備えて自治体の公式サイト、防災行政無線、公式SNSなど代替の情報源を確認する必要があります。また、自治体やサービス事業者を名乗る不審なメール、電話、SMSを受け取った場合は、記載されたリンクから個人情報を入力せず、公式窓口を別途確認してください。
委託元の自治体や団体では、利用している配信ドメイン、配信停止の有無、登録連絡先や履歴本文の保存範囲、本人通知の要否、代替配信手段を個別に確認することになります。復旧の判断と情報漏えいの影響調査は、別々に進捗を確認する必要があります。
アルカディアは個人情報に関する相談窓口として、電話 050-5830-0750、メール [email protected] を案内しています。受付時間は平日9時から17時まで(土日祝日・年末年始を除く)です。
出典
- SpeeCAN RAIDENへの不正アクセスによる個人情報漏洩の可能性について-SpeeCAN RAIDEN公式ブログ(2026年10月13日18時47分更新)
- SpeeCAN RAIDENへの不正アクセスによる個人情報漏洩の可能性について-株式会社アルカディア(2026年10月13日)
- 不正アクセスに伴う一部サービスの緊急停止について-SpeeCAN RAIDEN公式ブログ(2026年10月13日15時50分更新)
- 横須賀市防災情報メール及び防犯あんしんメール配信サービス等における不正アクセスに伴う個人情報の漏えいのおそれについて-横須賀市(2026年10月13日)
- 不正アクセスに伴う安全安心メールサービス緊急停止のお知らせ(第1報)-南房総市(2026年10月13日)
- 不正アクセスに伴う防災メールサービス緊急停止のお知らせ-下関市(2026年10月13日)








