株式会社マウスコンピューターは2026年10月14日、メールマガジンの配信委託先が利用するIDCフロンティアのクラウド基盤で不正アクセスが発生したことを受け、顧客のメールアドレス約42万件などに漏えいの可能性があると発表しました。同社が挙げた対象には、9月5日~10月6日のメール配信記録も含まれます。
10月14日の発表時点で、マウスコンピューターは顧客情報の漏えいを確認しておらず、関係事業者からも漏えいを確認したとの報告は受けていません。メールマガジンの配信を一時停止する一方、公式オンラインショップの注文・決済情報は対象クラウド基盤に保存されておらず、オンラインショップの営業を継続しています。
マウスコンピューターのメールアドレス漏えい可能性に関する概要
- 公表日:2026年10月14日
- 影響を公表した企業:株式会社マウスコンピューター
- 原因となった事象:メールマガジン配信の委託先が一部利用する「IDCFクラウド」への第三者による不正アクセス
- 漏えいの可能性がある情報:メールアドレス約42万件、および2026年9月5日~10月6日の当該アドレス宛てメール配信記録
- 情報漏えいの状況:顧客情報が実際に漏えいした事実は確認されていない
- 暫定対応:メールマガジンの配信を一時停止し、関係事業者と事実関係を確認
- ECサイトへの影響:注文・決済等の情報は今回の対象基盤に保存されておらず、公式オンラインショップは通常営業
- 今後の対応:顧客への影響が確認された場合、速やかに公表する方針
| 項目 | 2026年10月14日時点の公表内容 |
|---|---|
| 対象の業務 | メールマガジン配信 |
| 対象件数 | メールアドレス約420,000件(漏えい確定件数ではない) |
| 関連する記録 | 2026年9月5日~10月6日のメール配信記録 |
| 関連事業者 | 配信委託先が利用する株式会社IDCフロンティアのクラウド基盤 |
| 個人情報の漏えい | 未確認、関係事業者からも確認報告なし |
| メルマガ配信 | 一時停止 |
| 注文・決済情報 | 今回の影響を受けたクラウド基盤には保存していない |
| 公式オンラインショップ | 通常どおり利用可能 |
メルマガ配信の委託先が使うIDCFクラウドで不正アクセス
今回影響を公表したのは、パソコンの販売・製造を手がけるマウスコンピューターです。同社の顧客管理システムやECサイト自体が直接侵入されたと公表されたわけではありません。
同社によると、メールマガジン配信を委託している事業者から、配信機能の一部に利用しているIDCFクラウド基盤で不正アクセスが発生したとの連絡を受けました。マウスコンピューターは関係事業者と確認を進めており、顧客への影響が判明した場合は改めて知らせるとしています。
IDCフロンティアは10月7日午前3時40分頃からの障害について、東日本リージョン1の4ゾーンで495の企業・自治体に影響が生じたと公表しています。10月14日の第5報では、影響を受けた顧客の仮想サーバー内データについて、調査で持ち出しを示す痕跡などを確認できず、外部流出はなかったと判断しました。一方、クラウドポータルでは48社の登録情報への不正な照会も確認しています。
クラウド事業者の調査結果と、各利用企業が保有する配信情報の影響範囲は同一ではありません。マウスコンピューターは今回、自社の約42万件について調査対象であると示しており、漏えい確定とはしていません。同じ障害に伴う他社サービスへの影響は、IDCFクラウドへのサイバー攻撃による影響企業・サービスまとめでも整理しています。
約42万件のメールアドレスと配信記録が対象、注文・決済情報は含まず
マウスコンピューターが漏えいの可能性を挙げた情報は、メールアドレス約42万件と、2026年9月5日~10月6日にそれらのアドレス宛てに送ったメールの配信記録です。「約42万件」は確認対象となるメールアドレスの件数であり、第三者への持ち出しが確認された数でも、重複を除いた顧客人数を示すものでもありません。
同社は、公式オンラインショップで受け付けた注文や決済に関する情報について、問題となったクラウド基盤には保存しておらず、今回の事象による影響も確認していないと説明しました。今回の発表から、カード番号の漏えいや、公式通販での注文停止が発生したと解釈することはできません。
メールマガジンを一時停止、オンラインショップは通常営業
マウスコンピューターは安全性と影響範囲の確認を進めるため、メールマガジンの配信を一時停止しました。再開日時は10月14日の発表では示されていません。
一方、公式オンラインショップは通常どおり利用できます。メルマガの一時停止と、オンラインショップの商品注文・決済の停止は別の事象です。商品購入や修理相談などを行う際は、同社公式サイト・正規のサポート窓口を利用してください。
メールを受信する顧客が注意したいフィッシングと確認方法
メールアドレスが第三者に渡ったかどうかは確定していませんが、同社を装うメールやSMSへの注意は必要です。特に「注文確認」「配送の再手続き」「料金未払い」「アカウント保護」「メルマガ停止に伴う本人確認」などの名目で、偽のログインページや支払いページへ誘導する連絡には注意してください。これらは想定される詐欺の手口であり、本件で発生したと確認された被害事例ではありません。
- メール内のリンクや添付ファイルから急いで操作せず、公式サイトをブックマークや検索から開いて案内を確認する。
- 送信者名が「マウスコンピューター」でも真正なメールとは限らない。表示名ではなく差出人アドレスとアクセス先のドメインを確かめる。
- パスワード、ワンタイム認証コード、カード情報の入力を求められた場合は、そのメール経由で入力しない。
- 不審なリンクを開いただけで認証情報を入力していない場合は、ページを閉じる。ファイルをダウンロード・実行した場合は、端末のセキュリティ確認や専門窓口への相談を検討する。
- 偽サイトにパスワードを入力してしまった場合は、正規サイトから変更し、使い回し先も変更する。カード情報を入力した場合は、カード会社へ速やかに連絡する。
今回の公表はメール配信関連情報を対象としており、公式オンラインショップのパスワード漏えいが確認されたとの発表ではありません。したがって、約42万件を根拠にすべての顧客がパスワードを緊急変更しなければならないとするのは適切ではありません。個別の不審な連絡があれば、メールをそのまま返信せず、公式の案内から連絡先を確認してください。
企業の情報システム・広報担当者が確認したい委託先管理
メール配信のような周辺業務でも、委託先のさらに先にあるクラウド基盤に障害が発生すると、顧客連絡の停止や情報影響の調査が必要になる場合があります。本件に関連し、企業の担当者が確認したい事項は次のとおりです。
- 委託先のメール配信基盤や再委託先を把握し、保存されるデータ項目と保存期間を確認する。
- メール配信ログに含まれる情報を特定し、配信対象者数と、実際の外部流出の有無を分けて報告できるようにする。
- 配信停止時も顧客へ告知できるWebサイト、アプリ、公式SNS等の代替経路を確保する。
- 委託先からの調査結果を受けた際、確認済みの事実と調査中の事項を区別し、既存の告知を適切に更新する。






