愛知県岡崎市は2026年10月22日、市が利用するメール配信システムの提供元である株式会社ラクスライトクラウドが不正アクセスを受け、登録情報が漏えいした可能性があると発表しました。対象は「岡崎市防犯情報メールマガジン」に登録された約2万6,000件のメールアドレスと、「市営住宅の募集情報メール配信サービス」の登録メールアドレスです。後者の登録件数は調査中としています。
ラクスライトクラウドが運営する「ブラストメール」では、システムへの侵入と情報の外部持ち出しが確認されています。ただし、約2万6,000件は岡崎市の防犯情報メールに登録されたアドレス数であり、岡崎市の配信先リストから同数の情報が実際に流出したと確認された数値ではありません。
岡崎市の情報漏えいの可能性に関するサマリー
- 公表日:2026年10月22日。市は10月21日にシステム提供元から不正アクセスの報告を受けました。
- 対象サービスは「岡崎市防犯情報メールマガジン」と「市営住宅の募集情報メール配信サービス」の2種類です。
- 防犯情報メールの登録メールアドレスは約2万6,000件。市営住宅募集メールは件数を確認中です。
- システム提供元はラクスの子会社、ラクスライトクラウドです。
- 同社の「ブラストメール」では、API用サーバー2台への侵入、販売管理システムと配信データベースへのアクセス、情報の外部持ち出しが確認されています。
- メール配信システムは緊急停止され、市は不審なメールや自治体を装う連絡への注意を呼びかけています。
- 同市が10月14日に公表したアルカディアの情報配信システムへの不正アクセスとは、別の事案です。
| 項目 | 岡崎市が公表した内容 |
|---|---|
| 公表日 | 2026年10月22日 |
| 対象自治体 | 愛知県岡崎市 |
| サービス提供事業者 | 株式会社ラクスライトクラウド(ブラストメール) |
| 対象サービス① | 岡崎市防犯情報メールマガジン |
| 対象情報① | 登録メールアドレス約26,000件(漏えいの可能性) |
| 対象サービス② | 市営住宅の募集情報メール配信サービス |
| 対象情報② | 登録メールアドレス(件数確認中) |
| 発表時の対応 | 提供元によるサービス緊急停止、原因・影響範囲の調査、対象者への順次連絡を予定 |
防犯情報メールマガジンと市営住宅募集メールの2サービスに影響
岡崎市防犯情報メールマガジンは、不審者情報や犯罪発生時の注意喚起を市民へ配信するサービスです。担当するのは市の防犯交通安全課で、配信先として約2万6,000件のメールアドレスが登録されていました。
市営住宅の募集情報メール配信サービスは、抽選募集住戸や申込期間などを知らせるためのもので、市営住宅課が担当しています。こちらもメールアドレスが登録されていますが、10月22日15時時点で件数は確認中とされています。
今回、岡崎市が個別の対象情報として挙げたのは両サービスのメールアドレスです。氏名、住所、住宅への入居申込書の内容などが岡崎市の当該配信リストから漏えいしたとは公表されていません。メール配信サービスへの登録と、市営住宅の入居申請や住宅管理の情報は区別して扱う必要があります。
原因はブラストメールの不正アクセス、API用サーバー2台への侵入を確認
親会社の株式会社ラクスは10月21日、ラクスライトクラウドが運営する「ブラストメール」について第2報を公表し、第三者がAPI用サーバー2台に侵入してコマンドを実行したと説明しました。その後、販売管理システムおよびサービスのデータベースへ接続し、データを外部へ持ち出したことが確認されています。具体的な侵入経路は調査中です。
運営元は、販売管理システムに保存された全契約者の会社名、担当者名、電話番号、メールアドレス、請求先メールアドレス、契約・支払履歴などの持ち出しを確認しています。また、一部契約者では配信先リストなども漏えいしたと説明し、対象の精査と個別連絡を進めています。
岡崎市の10月22日付発表でも、契約者情報の漏えい報告と、一部契約者で配信に関する情報が流出したとの報告を受けたことが示されました。岡崎市の個別配信先情報については、提供元の調査結果を待って対象範囲を判断する段階です。
同サービスは10月21日午前0時30分から緊急停止しています。ラクスの第2報では、再開日時は未定とされていました。
ほかの自治体や企業への影響については、ブラストメール不正アクセスの影響先まとめで整理しています。
10月14日のアルカディア事案とは別件
岡崎市は10月14日にも、別事業者である株式会社アルカディアのシステムへの不正アクセスに伴い、「おかざき防災緊急メール」約3万7,000件、「学校情報メール配信システム」約3万人、「メール指令用配信サービス」約2,400件について情報漏えいの可能性を公表しています。
アルカディアによる広域的な影響はSpeeCAN RAIDEN・アルカディア不正アクセスの影響先一覧で整理しています。
登録者が注意すること、自治体が確認すべき対応
岡崎市は、市や配信事業者を装うメール、心当たりのない添付ファイルやURLに注意するよう呼びかけています。例えば、防犯情報の確認、市営住宅の抽選・申込手続き、メール配信の再登録といった案内を装った連絡を受け取った場合には、メール中のリンクを開く前に岡崎市の公式サイトで案内の有無を確認してください。こうしたなりすましは想定される二次被害であり、岡崎市の登録アドレスへの悪用が実際に確認されたとの意味ではありません。
登録者が不審な連絡を受けた場合は、本文記載の電話番号ではなく、公式サイトに掲載された担当部署の連絡先から問い合わせる方法があります。メールアドレスだけが対象と説明されている段階で、関連するすべてのサービスのパスワードが盗まれたとみなす必要はありません。一方、不審なサイトへ認証情報を入力してしまった場合には、当該サービスのパスワード変更や提供事業者への連絡を検討してください。
自治体側では、システム提供元による配信先リストの流出有無の確認と並行して、停止中の防犯情報の告知経路、市営住宅募集案内の代替掲載方法、関係者への通知手順を整理することが考えられます。配信サービスの復旧と、漏えいした可能性のある情報の調査完了は別の確認事項です。





