2026年10月20日、栃木県警察の警察官・職員ら約3,900人分の個人情報が、IT企業への不正アクセスによって外部に漏えいした可能性があると報じられました。約3,900人は漏えいが確認された人数ではなく、影響を受けた可能性がある人数です。
同時期には、大阪府のIT企業・株式会社アルカディアが提供する防災・安否確認サービスへの不正アクセスを受け、広島県警や愛知県警などでも警察官・職員の個人情報に漏えいの可能性があると報じられています。アルカディアは10月19日、同社サービスで確認された侵入経路やデータベース改ざん、不正メール送信に関する第12報を公表しました。
警察関係者の氏名や所属、私用メールアドレスなどが第三者に取得された場合、一般の個人情報漏えいとは異なり、職員を狙った偽連絡や標的型攻撃、警察官になりすました詐欺などに悪用される懸念があります。ただし、栃木県警について、実際にどの項目が流出したか、情報が不正利用されたかについては、続報による確認が必要です。
栃木県警の個人情報漏えいの可能性に関するサマリー
- 2026年10月20日、栃木県警の警察官・職員ら約3,900人分の情報に漏えいの可能性があると報道。
- 影響人数は可能性のある範囲を示すもので、約3,900人分の情報が実際に外部へ流出したと確定したものではない。
- 背景には、IT企業のシステムに対する第三者の不正アクセスがあるとされる。
- 同時期、アルカディアの安否確認システムを利用する広島県警では約5,700人、愛知県警では約1万5,000人分の個人情報に漏えいの可能性があると報じられている。
- アルカディアは10月19日の第12報で、公開システムの脆弱性悪用、内部情報取得、データベース改ざん、不正メール送信を説明。
- 本事案で警察内部の捜査システムや捜査資料が侵害されたと示す発表ではない。
- 警察職員の所属と連絡先が組み合わされた場合、個人を特定したフィッシングや組織内の偽連絡に利用されるおそれがある。
| 項目 | 公表・報道内容 |
|---|---|
| 対象組織 | 栃木県警察 |
| 報道日 | 2026年10月20日 |
| 影響の可能性がある人数 | 約3,900人 |
| 事象 | IT企業への不正アクセスに伴う個人情報漏えいの可能性 |
| 漏えいの確定状況 | 対象者全員の情報流出が確認されたものではない |
| 関連する広域事案 | アルカディアの防災・安否確認サービスに対する不正アクセス。各警察本部ごとの対象情報・調査結果は個別に確認が必要 |
※約3,900人という人数は10月20日の速報見出しに基づきます。栃木県警による詳細な一次発表を確認できていないため、同県警の対象情報項目、委託関係、被害の確定範囲を他県警の公表内容から補って断定していません。
他県警でも警察官・職員の安否確認情報に漏えいの可能性
大阪府箕面市のアルカディアは、自治体や公共機関向けに防災・防犯情報配信サービス「SpeeCAN RAIDEN」などを提供しています。災害時に職員へ一斉連絡し、安否や参集状況を確認する仕組みも、こうした外部サービスの用途の一つです。
広島県警について、テレビ新広島は10月15日、警察官・職員約5,700人分の氏名、所属、私用メールアドレスが漏えいした可能性があると報道しました。広島県警はアルカディアへ安否確認システムを委託しており、10月13日夕方に同社から連絡を受けたとしています。報道時点で情報の不正利用は確認されていません。
愛知県警についても、名古屋テレビが10月16日、警察官・職員約1万5,000人分の氏名、所属、メールアドレスが漏えいした可能性を報道しています。同県警では10月13日に事業者から連絡があり、安否確認システムは15日に復旧し、業務への影響はなかったと説明しています。
これらの人数は各警察本部で影響を受ける可能性がある対象規模です。同じ事業者を利用している場合でも、対象サービス、保存された情報、実際の第三者による取得の有無は一律ではありません。
警察官の氏名・所属・連絡先が漏えいした場合の危険性
所属情報を利用した標的型フィッシング
一般のメールアドレスが流出した場合と比べ、警察官・職員の氏名と所属が紐付くことには別の危険があります。攻撃者が実在する部署や担当者の情報を把握すれば、組織内の連絡に見せかけた不審なメールや、職務に関係する手続きを装う誘導の信頼性を高める可能性があります。
例えば、安否確認や勤務連絡を装うメッセージから偽の認証画面へ誘導する危険性が考えられます。これは情報の性質から想定される悪用シナリオであり、栃木県警の職員を狙った当該手口が実際に発生したと確認されたものではありません。
警察官になりすました偽連絡による二次被害
第三者が警察組織の職員名や所属を知ると、その情報を使って他の職員や行政機関、住民などへ接触し、正規の警察関係者であるかのように振る舞う可能性があります。公開情報と組み合わせられることで、電話やメールの発信者が本人かどうか、受信者側で判断しにくくなる場合があります。
一方、氏名や所属が分かったことだけで、捜査情報や警察の専用ネットワークにアクセスできるわけではありません。なりすましを成立させないためには、相手の申告した部署名だけを信用せず、既知の正規連絡先へ折り返して確認する運用が必要です。
職員本人・家族への接触や脅迫につながる懸念
私用のメールアドレスや個人の連絡先が漏えいし、公開されているSNS情報などと照合された場合、個人への迷惑連絡、執拗な接触、脅迫などに悪用されるリスクがあります。捜査や取り締まりに従事する職員では、所属と個人連絡先が結び付くこと自体が保護上の問題になり得ます。
ただし、本件で住所や家族構成、担当事件、捜査対象者といった情報まで流出したと示す根拠はありません。それらの情報が流出したかのような表現は避ける必要があります。
緊急連絡網の信頼性低下
災害時の安否確認システムは、職員が短時間で連絡を受け取り、必要に応じて回答するための仕組みです。こうしたサービスが不正アクセスを受けた場合、機密性だけでなく、偽の通知が配信されないか、登録情報が改ざんされていないか、災害時に正しい連絡を継続できるかが確認対象となります。
アルカディアの第12報では、同社の一部データベースの改ざんと不正メール送信が報告されています。ただし、この確認結果をもって栃木県警の安否確認連絡が改ざんされたと断定することはできません。
アルカディアは10月19日、侵入経路と不正メール送信を説明
アルカディアの公式第12報では、添付ファイルを公開するメディアサーバーのディレクトリトラバーサルの脆弱性を足掛かりに、内部ソースファイルやサービス間ログインに使う秘密情報が取得されたと説明しています。その後、内部情報への不正アクセスやデータベースの書き換えが確認されました。
また、不正なプログラムを通じて外部へ送信されたメールは142万3,428件としています。これは不正送信されたメール件数であり、警察職員の漏えい件数や情報が流出した実人数ではありません。アルカディアは10月15日15時10分に同社の全サービスが復旧したと発表しましたが、個人情報への影響に関する調査は別途継続しています。
詳しい侵入経路と技術的経過は、アルカディアの第12報を扱う記事で整理しています。また、SpeeCAN RAIDENの影響先まとめでは各地の公表を一覧化しています。
警察・自治体が確認したい対応
警察本部や自治体の情報システム部門は、外部委託先から受け取った対象者一覧と保存情報の項目を照合し、職員個人の連絡先が影響範囲に含まれるか確認する必要があります。漏えいの可能性を通知するとともに、安否確認の連絡先が更新されていないか、過去の送信履歴に業務上の情報が含まれていないかも点検対象です。
偽メールの報告窓口を職員に周知し、私用メールアドレスへの業務を装った連絡を正式な指示と取り違えないようにすることも対策となります。必要に応じて認証情報の変更、ログイン履歴の確認、利用サービスの多要素認証を実施します。
事業者側からサービス復旧の連絡があった場合でも、登録データや通知履歴が正しく残っているか、代替の職員連絡手段が機能するかは別に確認します。警察内部の捜査システムと、外部事業者が運営する連絡サービスの被害範囲を混同しないことも必要です。
<!– SEOディスクリプション案: 栃木県警の警察官・職員約3,900人分の個人情報が、IT企業への不正アクセスで漏えいした可能性が報じられました。アルカディアの同時期の侵害事案、他県警の公表、氏名・所属・連絡先の悪用によるなりすましや標的型攻撃の危険性を整理します。 –>
出典
- 弊社サービスへの不正アクセスに伴う一連の対応について(2026年10月19日第12報) – SpeeCAN RAIDEN公式ブログ
- SpeeCAN RAIDENへの不正アクセスに伴う一連の対応について – 株式会社アルカディア
- 栃木県警全職員の情報流出か アルカディア不正アクセスで
- 不正アクセスで広島県警5700人の個人情報も漏えいか – テレビ新広島・FNN(2026年10月15日)
- 愛知県警でも警察官らおよそ1万5000人分の個人情報漏えいか – 名古屋テレビ(2026年10月16日)
- 栃木県警察のフィッシング注意喚起 – 栃木県警察
- 不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえた各機関による注意喚起等について – 国家サイバー統括室(2026年10月14日)




