埼玉県警察が災害時の職員安否確認に利用しているシステムで、警察官や職員約1万3,000人分の個人情報が漏えいした可能性があることが分かりました。システムの運用を委託している株式会社アルカディア(大阪府箕面市)が第三者による不正アクセスを受けたことによるものです。
2026年10月16日の毎日新聞などによる県警への取材で影響が明らかになり、10月19日にも共同通信やTBSが報じました。対象は氏名、所属、私用メールアドレスなど。10月19日までの報道では情報の不正利用は確認されていません。約1万3,000人は漏えいの可能性がある登録対象の規模であり、同数の情報が実際に外部へ持ち出されたと確定したわけではありません。
埼玉県警の個人情報漏えいの可能性:サマリー
- 対象組織:埼玉県警察
- 被害の起点:安否確認システムの運用委託先・株式会社アルカディアへの不正アクセス
- 影響の可能性がある人数:警察官・職員約1万3,000人
- 対象情報:氏名、所属、私用メールアドレスなど、安否確認システムへの登録情報
- 対象者:県警の警察官・職員。警察職員以外の個人情報は同システムには登録されていないとの報道
- 県警への連絡:2026年10月13日、アルカディアからメールで通知
- 報道の経緯:10月16日に県警への取材で判明、10月19日にも複数社が報道
- 二次被害:10月19日までの報道では、情報の不正利用は確認されていない
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 影響組織 | 埼玉県警察 |
| システムの用途 | 災害時の警察官・職員の安否確認 |
| システム運用委託先 | 株式会社アルカディア |
| 対象規模 | 約1万3,000人分(漏えいの可能性) |
| 登録情報 | 氏名、所属、私用メールアドレスなど |
| 確認された事象 | 委託先アルカディアへの第三者による不正アクセス |
| 県警への通知 | 10月13日 |
| 情報の不正利用 | 報道時点では確認されず |
安否確認システムに登録された氏名・所属・私用メールアドレスが対象
埼玉県警は、災害時に職員の安全を確かめる安否確認システムをアルカディアに委託していました。10月13日に同社から不正アクセスに伴う個人情報漏えいの可能性について連絡があり、県警が登録情報への影響を確認することになりました。
毎日新聞の10月16日付記事、埼玉新聞の10月18日付記事、および10月19日の報道では、警察官と職員を合わせて約1万3,000人分の氏名・所属・私用メールアドレスなどが影響対象とされています。これらは業務システムの利用者情報ではなく、災害への備えとして外部サービスに登録されていた情報です。
県警によると、同システムに警察職員以外の情報は登録されていません。したがって、今回の約1万3,000人を、県民や事件関係者の個人情報が漏えいした件数として扱うことはできません。
アルカディアへの不正アクセスが各地に波及、10月19日に第12報
アルカディアは10月11日16時30分、自社の情報配信サービス「SpeeCAN RAIDEN」で不審な挙動を確認し、12日午前3時ごろに侵入経路をふさぐ応急措置を講じました。13日には第三者による不正アクセスを公表し、関係する一部のサービスを緊急停止しました。
同社は10月15日、停止していたサービスを復旧したと発表。10月19日10時には第12報を公開し、攻撃の経緯と対応状況を詳しく説明しています。一方、個人情報の漏えいの範囲については調査を継続しています。サービスの復旧と、登録情報の漏えい有無・件数の確定は別の問題です。
アルカディアのサービスへの不正アクセスは、さいたま市などの自治体、防災情報配信サービスや職員の安否確認に利用する公的機関にも影響しています。埼玉県警への個別の侵入が確認されたわけではなく、共通の委託先におけるインシデントが利用組織に波及した事案として整理する必要があります。
委託先全体の侵入経路や不正メール送信の調査結果は、アルカディアへの不正アクセスに関する第12報の解説にまとめています。また、影響を受けた自治体・サービスの一覧も別途更新しています。
広島県警・徳島県警にも影響、同一委託先の事案
同じアルカディアへの不正アクセスを受け、広島県警では約5,700人分、徳島県警では約1,900人分の警察官・職員情報について漏えいの可能性が報じられています。
これらは各県警が別々に攻撃を受けたという意味ではありません。また、自治体の防災メール登録者数と県警の職員数は管理主体や対象者が異なるため、重複の有無が判明しないまま合算して全体の漏えい人数とすることはできません。
情報システム・危機管理部門が確認したいこと
安否確認システムは災害時の連絡に用いられますが、登録する氏名・所属と私用メールアドレスの組み合わせが第三者に知られると、所属先を把握したうえで個人を狙う不審なメールや、職員・組織を装った連絡に悪用されるおそれがあります。これは想定されるリスクであり、埼玉県警の約1万3,000人に対して具体的な悪用が発生したことを示すものではありません。
外部の安否確認サービスを利用する組織では、登録情報の範囲、委託先からの通知の有無、管理者アカウントの保護、不審メールへの報告経路、サービス停止時の代替連絡手段を確認することができます。アルカディアは利用組織にログインパスワードの変更を求めています。








