静岡市は2026年10月14日、防災情報などの配信サービスを運営する委託先の株式会社アルカディアが第三者による不正アクセスを受け、「静岡市防災メール」と「認知症しずメール」の登録者情報が漏えいしたと公表しました。市長臨時記者会見資料に記載された漏えい確認分の対象人数は合計4万3,030人です。別の2サービスの計730人分については、情報漏えいの有無を調査しています。市は、不正アクセスに関連する可能性のある不審メールを実際に確認し、受信者へ注意を呼びかけています。
静岡市におけるアルカディア不正アクセスのサマリー
- 静岡市は10月14日、市長臨時記者会見で委託先への不正アクセスに伴う登録者情報の漏えいを公表しました。
- 漏えいが確認されたのは「静岡市防災メール」と「認知症しずメール」の2サービスです。
- 漏えい確認分の対象者数は、市民3万4,336人、市職員6,915人、認知症しずメール登録者1,779人の合計4万3,030人です。
- 「静岡市電話発信サービス」の市民21人分と「清水病院緊急連絡システム」の市職員709人分、合計730人分は漏えいの有無を調査中です。
- 4万3,030人は公表された区分別人数の単純合計で、サービス間の重複を除外した実人数を示すものではありません。
- アルカディアは10月11日16時30分、不正アクセスが疑われる挙動を確認し、12日3時に侵入経路を遮断する応急措置を実施しました。
- 10月13日、防災メールの送信元アドレスを利用した、クレジットカード会社を装う不審メールが複数の市民・職員へ届きました。
- 静岡市防災メールは配信を継続。認知症しずメールは一時停止後、安全対策を確認して10月15日に配信を再開しました。
| サービス | 漏えい状況 | 対象者数 | 対象情報 |
|---|---|---|---|
| 静岡市防災メール(市民) | 漏えい確認 | 34,336人 | メールアドレス |
| 静岡市防災メール(市職員) | 漏えい確認 | 6,915人 | メールアドレス、氏名、職員番号、所属名 |
| 認知症しずメール | 漏えい確認 | 1,779人 | メールアドレス |
| 静岡市電話発信サービス | 漏えいの有無を確認中 | 21人 | 氏名、電話番号またはFAX番号 |
| 清水病院緊急連絡システム | 漏えいの有無を確認中 | 709人 | 氏名、メールアドレス、所属名 |
※上の人数は2026年10月14日付の静岡市長臨時記者会見資料に基づきます。確認中の730人分を、漏えい確認済みの4万3,030人分に含めていません。
10月11日に不審な挙動を検知、13日に静岡市へ報告
市の説明によると、アルカディアは10月11日16時30分に不正アクセスが疑われる挙動を検知しました。翌12日3時、侵入経路の遮断措置を取り、影響範囲の調査を開始しています。
10月13日10時48分には、認知症しずメールへの不正アクセスと緊急停止について静岡市へ第一報が届きました。同日14時12分の第二報では、静岡市防災メールと清水病院緊急連絡システムも調査対象に含まれました。
静岡市は同日20時30分ごろ、防災メール登録者にお詫びと注意喚起のメールを送信し、21時ごろに市ホームページへ告知を掲載しました。翌14日、市長臨時記者会見で漏えい確認分と調査中の対象を分けて公表しています。
防災メールの送信元を悪用した不審メールを確認
10月13日には「静岡市防災メール」の登録者である複数の市民・市職員に、クレジットカード会社を装った不審なメールが届きました。市が確認した事例の件名は「<重要>ご利用確認のお願い」で、クレジットカードの利用状況を確認するよう促す内容でした。
送信元のアドレスには、静岡市防災メールが実際に使用する「@raiden.ktaiwork.jp」が含まれていました。市は、正規の配信元と同じドメインを用いた不審メールであると注意喚起しています。アルカディアへの不正アクセスとの関連が疑われますが、市の資料では送信手段の詳細や個々のメールの発信者までは特定していません。
市は、静岡市から「@raiden.ktaiwork.jp」で送るのは防災情報のみだと説明しています。不審メールのURLや添付ファイルは開かず、メールを削除するよう求めています。一方で、送信元ドメインそのものを迷惑メール指定・受信拒否すると、正規の防災情報まで届かなくなるおそれがあるとして注意を促しています。認知症しずメールの送信元「@raiden3.ktaiwork.jp」についても同様に注意が必要です。
防災メールは継続、認知症しずメールは10月15日に再開
静岡市防災メールは、委託先が侵入経路を遮断する応急措置を取った後も配信を継続しています。静岡市電話発信サービスも、登録者への個別の注意喚起を行いながら運用を継続する方針が示されました。
一時停止していた認知症しずメールは、静岡市の10月15日更新のお知らせによると、必要な安全対策が講じられたことを確認し、同日に配信を再開しました。10月14日の会見資料には復旧時期未定と記載されていましたが、その後に状況が更新されています。
清水病院緊急連絡システムについては、14日の会見時点で不正アクセスの有無を含めて確認中とされていました。市は委託先と連携し、情報漏えいの範囲や原因、不正利用の状況について調査を続けるとしています。
アルカディアへの不正アクセスは他自治体にも波及
今回の問題は、静岡市のシステムだけを狙った独立した攻撃として公表されたものではありません。アルカディアが提供する「SpeeCAN RAIDEN」などの配信基盤への不正アクセスにより、全国の自治体や消防機関にも影響が広がっています。
アルカディアは10月13日、SpeeCAN RAIDEN関連で漏えいの可能性がある情報について、メールアドレス約313万6,000件、電話番号約10万5,000件、FAX番号約1万5,000件との最大推定規模を公表しました。これらは情報の種類別に集計した推定値であり、漏えいが確認された人数ではありません。静岡市の4万3,030人分をその全国推定値へ単純に加算することもできません。
広域の影響先についてはアルカディア不正アクセスによる自治体・消防機関への影響まとめで整理しています。事業者側の初動や最大推定規模はSpeeCAN RAIDENへの不正アクセスに関する第一報でも報じています。





